一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方は屋号なしでも問題ないの?つけ方と注意点を解説

 「一人親方は屋号なしでも仕事できる?」

 「一人親方が屋号をつけるとき、何に気をつけたらいい?」

 「一人親方の屋号の手続きって、どうすればいいの?」

 上記のように、屋号に関して疑問をお持ちの一人親方も多いのではないでしょうか?

 この記事では、一人親方労災保険の加入団体として一人親方をサポートしている「一人親方団体労災センター」が、屋号のメリット・注意点・登録方法を解説します。
一人親方の独立

屋号とは?一人親方に必要なし?

 「屋号」とは、個人事業主が事業をおこなう上で、主に使用する名称のことです。

 法人でいえば、会社名・団体名にあたります。結論をいえば、一人親方は屋号を登録して使用することも、屋号なしで仕事をすることも可能です。従って、もし何か理由があって屋号を登録したくない方は、屋号を登録しなくても問題はありません。また、屋号を登録しないからといって、仕事を受注できなかったり法的にペナルティを受けたりすることはありません。

一人親方が屋号をつけたほうが良い理由とは?

 一人親方は、屋号なしでも営業できますが、どちらかといえば屋号を登録した方が仕事をしやすくなります。
 この章では、一人親方の屋号登録の意義を理解していただくため、メリットを3点解説します。
 メリットとしてはあえてご紹介していませんが、屋号の登録は無料でおこなえるため、デメリットやリスクがないことも理解しておくとよいでしょう。

業務上の口座を持てる

 屋号を登録すると、銀行や信用金庫などの金融機関で、プライベートとは別に屋号の口座を開設できます。屋号の口座をもてば、報酬・資材の購入費用・外注費など仕事に関連するお金を、プライベート口座とは別で管理できるようになります。

 その結果、得られる具体的なメリットは、以下のとおりです。

  • 仕事でのお金の流れがわかりやすくなり、事業の成績や状況が明確になる
  • 確定申告の際にお金の出入りがわかりやすくなり、申告作業が簡単になる

 ※法人カードを取得するとさらにお得に!

 →個人名義でも持てるため、屋号取得の有無は直接大きく影響しませんが、法人のクレジットカードに登録すると個人よりも利用限度額が大きく、ビジネスをサポートしてくれる機能も充実しています。

 クレジット会社によっては、法人カード登録の際に屋号の名義で登録できます。

信用が高まる

 屋号をもつことは、対外的な信用にもつながります。事業の名前を対外的にきちんと明記することにより、取引先や金融機関から見たときに信頼が得られやすいためです。

 実際に、屋号を登録して対外的な信用が高まった結果、登録する前よりも、仕事をたくさん受けられるようになった一人親方も存在します。

仕事内容が相手に伝わりやすい

 どのような屋号を付けるかにもよりますが、ご自身の事業内容を表す屋号をつけた場合、取引先やクライアントに伝わりやすくなります。

 例えば「〇〇建設」「〇〇木材」「〇〇鉄筋工」など、「名前や土地名+事業内容」の屋号は、とてもわかりやすく相手に事業内容を伝えられます。

 事業内容が明確になることで、より大きな安心感を抱いてもらえる可能性が高まるでしょう。

一人親方が屋号をつけるときの注意点

一人親方の注意点
 一人親方が屋号をつける際には、注意点もあります。屋号のメリットを最大限に活かすためには、必ず知っておきたいポイントなので、ぜひ屋号を登録する前にチェックしてください。

わかりやすい屋号をつける

 最初の注意点は、わかりやすい屋号をつけた方が良いことです。屋号を見ても何をしている一人親方なのかわからなかったり、名前が覚えにくかったりすると、良い印象を抱いてもらえません。それどころか、本名よりもとっつきにくい印象を持たれてしまうことさえあります。

 屋号に事業内容を含めなくてはならないルールはありませんが、少なくともほかの方が見たときに戸惑うような名称は、避けた方が良いでしょう。また、事業内容を細かく指定しすぎると、将来業務内容が拡大した際に、名称のおかげでプロではないと思われるリスクがあります。従って、将来的に取り扱いの範囲が広がる可能性のある一人親方は、将来のことを踏まえて名称をつけることも重要です。

 (名称は後から変更することも可能ですが、なじんできた名称を途中で変更するのもリスク要因なので、変更しなくても済むようにしておいた方がベターです。)

商標登録されているものは避ける

 屋号は基本的に、自由に登録可能です。従って、ほかの屋号と重なってしまうこともあります。万が一屋号が重なってしまっても、そのことは大きな問題にはなりません。ただし、商標登録されている名称と重なってしまった場合には、法律上のトラブルになる可能性があります。

 「商標登録」とは、事業者が商品・サービス・会社名などの名称を登録することにより、独占的に使用する権利のことです。

 屋号として登録をしようとした名称が、偶然ほかの事業者の商標登録と重なってしまったとき、権利者から名称の変更や賠償金を請求されるリスクがあります。なお、商標は特許庁のホームページ「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」にて、無料でチェックできます。

参考:特許庁
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 屋号を登録する前に、ぜひチェックしてください。

 ※また、個人事業主である一人親方は、「株式会社〇〇」「有限会社〇〇」などの名称を屋号として使用することもできません。

 併せて覚えておきましょう。

一人親方の屋号の申請方法

 ここまでの内容をふまえて、一人親方が屋号を登録するための方法について、気になる方もいらっしゃると思います。登録方法は、以下のとおりです。

 ◆屋号の申請方法

  • 屋号を考案する
  • 法務局に開業届を提出する際に、屋号の欄に希望の屋号を記入する

 ※すでに開業届を提出済みの方は、確定申告の際に新たな屋号を記載するだけでOKです。

 上記のように、とても手軽に屋号が申請できます。無料で登録可能なので、費用も手間もかけずに屋号を登録できます。

 さらに、開業届の手続きは税務署に足を運ぶことなく、web上でも登録可能です。

 ◆屋号の口座の作り方
 屋号で金融機関口座を作成する方法は、金融機関によって異なります。パターンとしては、口座開設の際印鑑に加え、屋号の存在を証明する書類の提出を依頼されるケースが多いです。国税・地方税の納税書/事務所の賃貸借契約書/税務署の「収受日付印」付きの確定申告書(原本)など

 各金融機関に詳細を確認したうえで、登録手続きを進めてください。

まとめ

 一人親方は無料で簡単に、屋号を登録できます。
 屋号を登録すると確定申告の手続きが手軽になるほか、対外的な信用が高まりやすくなるなどの、大きなメリットがあります。メリットを最大限に活かすには、対外的にわかりやすい屋号を考案することが大切です。
 また、権利者とのトラブルを避けるために、希望の屋号が商標登録されていないかどうかは、事前にチェックしておきましょう。

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