一人親方労災保険の「労災センター通信」

労災保険の給付金額を知りたい!給付内容や計算方法を徹底解説

 労働災害にあうと、労災保険から必要な給付が受けられます。しかし「具体的にいくら支給されるのか知りたい」と考える方は少なくないでしょう。
 本記事では、労災保険の給付金額について具体例を挙げて解説します。労災保険の種類ごとの給付内容や計算方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

労災保険の給付金額が知りたい!

 労働災害にあうと、労災保険から各種保険給付が受けられます。労災保険は、労働者の業務中や通勤中のケガや病気、また死亡事故などが発生した場合に、被災労働者とその家族に必要な保険給付を行う国の制度です。
 実際に労災保険の給付金額はいくらになるのか知りたいと考える方は少なくありません。給付金額の目安を知っておくと、労災保険の請求を行うときに役立つでしょう。
 ここでは労災保険の種類ごとに、受け取れる給付金額の目安をわかりやすく解説します。

労災保険給付の一覧

 はじめに、労災保険給付を一覧表にまとめます。

保険給付の種類 支給事由 給付金額の目安
療養(補償)給付 業務災害または通勤災害によるケガや病気により療養するとき 必要な療養費の給付または療養費の全額
休業(補償)給付 業務災害または通勤災害によるケガや病気の療養で労働できず賃金を受けられないとき 休業4日目から休業1日につき給付基礎日額の60%相当額と、休業特別支給金として給付基礎日額の20%
遺族(補償)年金 業務災害または通勤災害により労働者が死亡したとき
  • 遺族の人数に応じて給付基礎日額245~153日分の年金
  • 遺族特別支給金一律300万円
  • 遺族特別年金として遺族の人数に応じて算定基礎日額245~153日分の年金
遺族(補償)一時金 遺族(補償)年金を受け取る遺族がいないとき
  • 給付基礎日額1,000日分の一時金
  • 遺族特別支給金一律300万円
  • 算定基礎日額1,000日分の一時金
葬祭料(葬祭給付) 業務災害または通勤災害により死亡した被災労働者の葬祭を行うとき 315,000円+給付基礎日額の30日分か給付基礎日額60日分の多い方
傷病(補償)年金 業務災害又は通勤災害によるケガや病気の療養開始後1年6ヵ月経過し、治癒しておらず障害の程度が傷病等級に該当するとき
  • 障害の程度に応じて給付基礎日額313~245日分の年金
  • 傷病特別支給金として傷病の程度により114万~100万円までの一時金
  • 傷病特別年金として障害の程度に応じて算定基礎日額313~245日分の年金
介護(補償)給付 障害(補償)年金または傷病(補償)年金受給者で一定の障害を有して、現に介護を受けているとき 原則として介護の費用で実際に支出した額

(条件に応じて上限あり)

障害(補償)給付 業務災害または通勤災害によるケガや病気が治癒した後に障害が残ったとき
  • 障害等級第1~7級の場合、障害の程度に応じて給付基礎日額313~131日分の年金
  • 障害特別支給金として障害の程度に応じて342万~8万円までの一時金
  • 障害等級8~14級の場合、障害の程度に応じて給付基礎日額503~56日分の一時金

傷病による療養で労災保険から支給される給付金額

 業務災害または通勤災害によるケガや病気の療養では、労災保険より「療養(補償)給付」が支給されます。業務災害の場合は「療養補償給付」、通勤災害の場合は「療養給付」が支給され、療養のために必要な費用が治癒するまで補償されます。
 ここでいう「治癒」とは、ケガや病気の症状が安定し、それ以上医療を施しても効果が期待できない状態のことです。

療養費が補償される

 「療養(補償)給付」では、療養に必要な治療費・入院料・移送費などが補償されます。
 業務災害でケガや病気をした被災労働者は、労災指定医療機関で受診する場合、労災であることを伝えると自己負担なしで治療や薬剤の支給など現物給付が受けられます。給付請求書の提出先は、受診している医療機関です。
 労災指定医療機関以外で受診する場合は、療養費の現金給付が受けられます。この場合は、被災労働者が医療機関窓口で費用をいったん自己負担し、労働基準監督署へ給付請求書を提出します。労災認定がおりると、療養にかかった費用が全額振り込まれる仕組みです。
 なお、通院距離が原則として片道2km以上など一定の条件を満たす場合は、通院費も支給対象になります。

休業中に労災保険から支給される給付金額

 業務災害または通勤災害によるケガや病気の療養のため、労働不可で賃金が受けられない場合は、労災保険から「休業(補償)給付」が支給されます。
 休業(補償)給付」の給付金額は、給付基礎日額の60%相当額に休業特別支給金の20%を足した額で、合計80%です。
 休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%が支給されますが、業務災害の場合の休業1~3日目に関しては労働基準法により事業主が休業補償をすることになっています。

給付金額の計算方法

 「休業(補償)給付」は、はじめに「給付基礎日額」を計算し、それにもとづいて1日あたりの給付金額を算出します。
【給付基礎日額の計算方法】
 給付基礎日額は、原則として労働災害発生日の直近3ヵ月間に支払われた賃金総額を暦日数で割った金額です。これには、ボーナスなど3ヵ月を超える期間ごとに支払われる特別給与は含まれません。
 月の賃金が20万円で、労災事故が2月に発生した場合の計算方法は以下のとおりです。

  • 20万円×3ヵ月÷92日(11月:30日、12月:31日、1月:31日)=6,522円(1円未満は切り上げ)

【休業(補償)給付の計算方法】
 給付基礎日額にもとづいて1日あたりの給付金額を計算します。

  • 保険給付:6,522円×60%=3,913円(1円未満は切り捨て)
  • 特別支給金:6,522円×20%=1,304円(1円未満は切り捨て)
  • 保険給付3,913円+特別支給金1,304円=5,217円

 上記のケースでは、休業4日目から休業(補償)給付として受け取れる給付金額は、1日あたり5,217円になります。

被災労働者の死亡で労災保険から支給される給付金額

 業務災害または通勤災害により労働者が死亡した場合、被災労働者の家族は労災保険から「遺族(補償)給付」を受け取れます。
 「遺族(補償)給付」は、年金受給資格者の条件を満たす遺族がいる場合は「遺族(補償)年金」、年金受給資格者がいない場合は該当する遺族に対して「遺族(補償)一時金」が支給されます。
 また、被災労働者の葬祭を行う場合は「葬祭料(葬祭給付)」の請求も可能です。

給付金額の計算方法

【遺族(補償)年金の計算方法】
 「遺族(補償)年金」の給付金額は以下の給付内容にもとづいて計算します。

遺族数 遺族(補償)年金 遺族特別支給金 遺族特別年金
1人 給付基礎日額の153日分(55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は175日分) 300万円 算定基礎日額の153日分(55歳以上の妻または一定の障害状態にある妻の場合は175日分)
2人 給付基礎日額の201日分 算定基礎日額の201日分
3人 給付基礎日額の223日分 算定基礎日額の223日分
4人以上 給付基礎日額の245日分 算定基礎日額の245日分

 被災労働者の死亡当時、その収入で生計を維持していた遺族が3人(妻と子ども2人)いる場合で考えてみましょう。月の賃金は20万円、年間のボーナス100万円として、まず給付基礎日額と算定基礎日額を計算します。
 給付基礎日額は前述のとおり、5,217円です。算定基礎日額は、労災事故発生日以前の1年間に受け取ったボーナスなどの特別給与総額を算定基礎年額として、365で割った額です。年間のボーナスが100万円の場合、365で割ると2,740円になります。
 以上をふまえると、「遺族(補償)年金」として受け取る給付金額は以下のように算出できます。

  • 遺族(補償)年金:5,217円×223日分(遺族3人)=1,163,391円
  • 遺族特別支給金:一時金として一律300万円
  • 遺族特別年金:2,740円×223日分=611,020円

【遺族(補償)一時金の計算方法】
 年金受給資格者がいない場合は、一時金の受給資格者の最先順位者が、以下の内容にもとづいて「遺族(補償)一時金」を受け取ります。

遺族(補償)一時金 遺族特別支給金 遺族特別一時金
給付基礎日額の1,000日分 300万円 算定基礎日額の1,000日分

 前述の条件で計算すると、以下の給付金額を一時金として1回限り受け取ることになります。

  • 遺族(補償)一時金:5,217円×1,000日分=5,217,000円
  • 遺族特別支給金:300万円
  • 遺族特別一時金:2,740円×1,000日分=2,740,000円

 なお、「遺族(補償)年金」の受給権者が失格して一時金の受給資格が発生した場合は、すでに支給された合計額を差し引いた額が一時金として支給されます。また、すでに支給された遺族特別支給金300万円が再度支給されることはありません。

【葬祭料の計算方法】
 死亡した被災労働者の葬祭を行った場合は、主催した家族または会社に対して葬祭料が支給されます。
 給付金額は、315,000円に給付基礎日額30日分を加えた額です。
 前述の条件の場合に支給される葬祭料の給付金額は、以下のように計算します。

  • 315,000円+156,510円(5,217円×30日分)=471,510円

 なお、上記の額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、60日分が支給額になります。

その他の給付内容と給付金額

 労災保険には上記以外にも保険給付の種類があり、支給事由に応じて必要な給付が受けられます。ここでは、「傷病(補償)年金」と「障害(補償)給付」の給付内容と給付金額の目安を解説します。

傷病(補償)年金

 「傷病(補償)年金」は、業務災害または通勤災害によるケガや病気の療養開始後1年6ヵ月が経過しても治っておらず、障害の程度が傷病等級表の傷病等級に該当する場合に、以下の内容にもとづいて支給されます。

傷病等級 傷病(補償)年金 傷病特別支給金(一時金) 傷病特別年金
第1級 給付基礎日額の313日分 114万円 算定基礎日額の313日分
第2級 給付基礎日額の277日分 107万円 算定基礎日額の277日分
第3級 給付基礎日額の245日分 100万円 算定基礎日額の245日分

 前述の条件をあてはめて計算すると、傷病等級第3級の場合の給付金額は以下のとおりです。

  • 傷病(補償)年金:5,217円×245日分=1,278,165円
  • 傷病特別支給金:一時金として一律100万円
  • 傷病特別年金:2,740円×245日分=671,300円

障害(補償)給付

 業務災害または通勤災害によるケガや病気が治ったときに一定の障害が残った場合は、「障害(補償)給付」が支給されます。給付金額は以下の給付内容に基づいて計算します。

障害等級 障害(補償)給付 障害特別支給金(一時金) 障害特別年金/一時金
第1~7級 給付基礎日額313~131日分の年金 342万~159万円 算定基礎日額313~131日分の年金
第8~14級 給付基礎日額503~56日分の一時金 65万~8万円 算定基礎日額503~56日分の一時金

一人親方は労災保険に特別加入して補償が受けられる!

 一人親方や会社の役員など労働者に該当しない方でも、労災保険の特別加入制度を利用すれば手厚い補償が受けられます。一人親方の場合は、特別加入団体を通して労災保険への特別加入が可能です。
 例えば「一人親方団体労災センター」では、大工や左官など建設業を営む一人親方の労災保険特別加入手続きを受け付けており、万一のときでも安心の補償が受けられるようサポートしています。
 ただし、ボーナスを計算の基礎とする保険給付及び特別支給金は特別加入者は支給対象外です。

まとめ

 労災保険の給付金額が知りたい方のために、具体的な例と金額の目安をまとめました。
 万一の労働災害では、重いケガや病気により治療費が高額になったり、労働不能になり賃金が得られなくなったりすることがあります。そのようなケースで労災保険の制度を活用するなら、被災労働者ご自身やそのご家族の生活を守ることが可能です。労災保険の対象外である一人親方も、特別加入制度を利用することで、労災保険の手厚い補償が受けられます。

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