一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方が今後なくなるって本当?噂の背景や対策のポイントを解説

 「一人親方は今後なくなるかもしれない」そのような噂を聞いたことはありませんか?

 結論として、一人親方がなくなることはないにしても、一人親方として働くことが難しくなっているのは事実です。
 本記事では、一人親方の今後が心配されている背景をわかりやすく解説します。また、今後一人親方として活躍する3つのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも一人親方とは?

 一人親方とは、主に建設業などで、会社に雇用されずに個人で仕事を請け負う人のことです。基本的に労働者を使用しないで事業を行いますが、労働者を雇っていても年間100日未満の場合は一人親方として扱われます。
 一人親方として独立することには、以下のようなメリットがあります。

  • 職場にとらわれない自由な働き方が可能
     一人親方は会社に雇用されておらず、誰かの指揮命令に従う必要はありません。
    事業主として自ら営業を行い、仕事をする場所や仕事量を調整できるメリットがあります。
    繁忙期でも自分の裁量で仕事量を調整できるため、仕事とプライベートを両立させやすいといえるでしょう。
  • 仕事をやればやるほど稼ぐことが可能
     仕事量を自分で決定できるため、仕事をやればやるほど稼げるのも一人親方の魅力です。
    仕事の進行方法を工夫しながらスケジュールを調整して、1日に複数の現場を回ることも可能です。
  • 自分の腕次第では高報酬も可能
     会社に雇用されている場合、どれほど腕を上げても年収は頭打ちとなる傾向にあります。
    一人親方の場合、請け負う仕事の単価を交渉できるため、高い技術力を認められるなら高報酬も狙えます。

一人親方が今後なくなるって本当?噂の背景となる2つの社会トレンド

 「一人親方は今後なくなるかもしれない」という噂があります。この噂の背景には、以下の2つの社会トレンドが関係しています。

  • 偽装一人親方問題
  • インボイス制度

 これらは、一人親方として仕事を継続することを考えている方や、これから一人親方として独立することを検討している方にとって重要なポイントです。ここでは、一人親方の今後に大きな影響を与える2つの社会トレンドを詳しく解説します。

国土交通省が取り組む偽装一人親方問題

 一人親方の今後に影響を与える社会トレンドの1つは、国土交通省が撲滅を目指して取り組んでいる「偽装一人親方問題」です。
 偽装一人親方問題とは、会社が雇用関係にある従業員を請負契約の一人親方として扱うことです。一人親方を偽装する原因として、社会保険の節約や労働関係法令が適用されなくなることが挙げられます。
 雇用関係の場合、社会保険料の半分は会社が負担する必要があります。また、雇用保険料も発生するため、従業員の多い会社にとって大きな負担です。
そこで会社は、社会保険料をカットするために従業員を請負契約の一人親方として扱うケースが増えています。
 また、労働関係法令が適用されなくなると、会社は労働基準法を遵守する必要はなくなります。請負契約の一人親方は、成果物に対して報酬を得るため、残業代・休日手当て・有給休暇などの必要はありません。
 ここで問題となっているのは、実態が雇用関係にあるにもかかわらず、偽装請負の一人親方として従事している人が一定数存在していることです。偽装一人親方は、「老後の生活が不安定になる」「病気や仕事がなくなったときの保障がない」「業務中のケガや事故はすべて自己負担になる」などのリスクがあります。これを懸念事項として、国土交通省は偽装一人親方を減少させる取り組みを行っています。

2023年にスタートするインボイス制度

 一人親方の今後を心配させる社会トレンドとして、2023年10月にスタートする「インボイス制度」が挙げられます。
 インボイス制度とは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式のことです。インボイス制度の導入後は、仕入税額控除の適用を受けるために、インボイス(適格請求書)の発行が必須となります。
 インボイス制度が一人親方に大きな影響を与えるといわれているのは、インボイスを発行できるのは適格請求書発行事業者のみだからです。多くの一人親方は年間課税売上高が1,000万円未満で、消費税の納税を免除されてきました。
 しかしインボイス制度がスタートすると、インボイスを発行できる適格請求書発行事業者との取引により消費税分が控除される方が節税になるため、免税事業者との取引を敬遠する元請業者が増えると予想されます。
 そこで一人親方は、消費税を納税する適格請求書発行事業者になるか、インボイスを発行できない免税事業者として活動するかを選ばなければなりません。いずれにしても一人親方にとって不利な制度であるため、「一人親方は今後なくなるのではないか」と噂されるようになりました。

【結論】一人親方として働くことが難しくなっているのは事実

 「一人親方は今後なくなるかもしれない」噂がありますが、結論として一人親方がすぐになくなるとは考えられません。例えば偽装一人親方問題ですが、国土交通省が撲滅に取り組んでいるのは偽装一人親方であり、一人親方そのものではありません。
 ただし、一人親方として働くことが難しくなっているのは事実です。インボイス制度がスタートすることで、免税事業者の一人親方は仕事量が減少する可能性があります。また、インボイスを発行できるよう適格請求書発行事業者になる場合、今まで支払わなくてよかった消費税を支払わなければならず、収入面で大きな打撃となるでしょう。
 今後も、偽装一人親方問題・インボイス制度のような社会トレンドに伴う法律の変更や技術革新により、一人親方として働くことが難しくなる可能性が考えられます。

今後も一人親方として活躍する対策|3つのポイント

 一人親方として働くことが難しくなっているとはいえ、今後も活動を続けることは可能です。その対策として、以下の3つのポイントが挙げられます。

  • 実態の伴う請負契約を締結する
  • 建設業許可を取得する
  • 労災保険に特別加入する

 これらは、既に一人親方として働いている方や、これから独立して一人親方になることを検討している方にとって重要なポイントです。ここでは、各ポイントをわかりやすく解説します。

「適正と考えられる一人親方」として実態の伴う請負契約を締結する

 今後も一人親方として活躍するために、「適正と考えられる一人親方」として実態の伴う請負契約を締結することが大切です。
 偽装一人親方問題とは、請負契約を締結しているものの、実態は雇用契約であることです。請負契約を締結する際は、「元請からの仕事を拒否する自由がある」「勤務時間の拘束性がない」「一般従業員と比較して報酬が高額である」などの基準を満たさなければなりません。
 一方で、仕事を請け負う人は国土交通省が定義する「適正と考えられる一人親方」であることが求められます。これは、「請け負った仕事に対し自らの責任で完成させることができる技術力と責任感を持ち、現場作業に従事する個人事業主である」ことを意味します。
 国土交通省が提示する、「適正と考えられる一人親方」が持つべき「技術力」「責任感」の例は、以下のとおりです。

技術力の例

  • 建設業許可の取得
  • 職長クラス、建設キャリアアップシステムレベル3の保有
  • 実務経験年数が10年程度以上や多種の立場を経験
  • 専門工事技術のほか、安全衛生等の様々な知識の習得
  • 各種資格の取得

責任感の例

  • 建設業法や社会保険関係法令、事業所得の納税等の各種法令を遵守
  • 適正な工期及び請負金額での契約締結
  • 請け負った契約に対し業務を完遂
  • 他社からの信頼や経営力

 引用:国土交通省「建設業の一人親方問題に関する検討会 中間取りまとめ(参考資料)」

建設業許可を取得する

 一人親方として今後も活躍したいと考える方にとって、建設業許可の取得も大切なポイントです。
 建設業許可を取得していない一人親方は、税込500万円以上の建設工事を請け負うことはできません。無許可で上記金額以上の工事を請け負った場合は、建設業法第3条第1項に違反することになり、懲役3年以下または300万円以下の罰金の対象となるため注意が必要です。
 社会保険に加入したうえで建設業許可を取得することで、元請業者からの信頼を得て大きな仕事を請け負えると期待できます。また、インボイス制度により消費税を支払わなければならなくなる一人親方にとって、大きな仕事を請け負って収入を増やすことは1つの対策として効果的です。

労災保険に特別加入する

 一人親方が今後も安定して仕事を得るために、労災保険に特別加入することも大切なポイントとして挙げられます。
 労働者に該当しない一人親方は、原則として仕事中のケガや事故は全額自己負担しなければなりません。しかし、労災保険の特別加入制度を利用している場合は、掛金により給付額が支払われます。
 一般の労働者と同じように、建設現場ではケガや事故のリスクを負いつつ作業をしています。労災保険の対象外である一人親方は、事故による損害賠償を負担できない可能性があることから、仕事の発注を得られない可能性も考えられるでしょう。実際、建設現場への入場の際に、労災保険の加入が求められるケースも増えています。
 一人親方は、労災保険の特別加入団体をとおして特別加入の手続きができます。「一人親方団体労災センター」では、急ぎの場合でも最短翌日から労災保険に加入できるよう、迅速な対応をしております。また、すぐに次の現場へ提出できるよう、加入証明書は即日発行も可能です。

まとめ

 「一人親方が今後なくなるかもしれない」という噂の真相をまとめました。
 結論として一人親方がすぐになくなることは考えられませんが、「偽装一人親方問題」「インボイス制度」の社会トレンドにより、一人親方として働くことが難しくなっているのは事実です。
 今後も一人親方として活躍できるよう、以下の3つのポイントを押さえるようにしましょう。

  • 「適正と考えられる一人親方」として実態の伴う請負契約を締結する
  • 建設業許可を取得する
  • 労災保険に加入する

 一人親方の労災保険特別加入制度に関するご相談は、「一人親方団体労災センター」までお気軽にお問い合わせください!

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