一人親方労災保険の「労災センター通信」

【労災保険特別加入】2024年4月の保険料率改定による変更点とは?

一人親方として安心して働けるように、労災保険への特別加入を検討される方もいらっしゃるでしょう。

労災保険料を計算する際に必要となる保険料率が、令和6年4月に改定されました。

これにより、自分が支払う労災保険料にも変更が生じることになる可能性があるため、確認しておくことをおすすめします。

本記事では、一人親方が労災保険へ特別加入する際に確認したいそのほかのポイントについてもご紹介しています。
一人親方として活動されていて労災保険への特別加入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

労災保険とは?

労災保険は労働保険の一種で、労働者の傷病に対する保険給付や社会復帰の促進などを目的とした保険です。

一人でも労働者を雇っている事業所に加入が義務づけられており、労働者が業務災害、もしくは通勤災害に遭った際に適用されます。

業務災害とは業務を原因としてケガをしたり病気になったりすることをいい、長時間労働によるうつ病の発症なども対象になります。
通勤災害は、家と会社・単身赴任先と帰省先・会社とほかの就業場所などへの移動中の災害のことです。

労災保険はパートやアルバイト・日雇労働者も含むすべての労働者に適用される保険で、個人で仕事を請け負っている一人親方などには適用されません。

労災保険の特別加入制度とは?

建設現場で働く一人親方などは、一般的な同労者と同じように労働災害に遭うリスクを背負っています。
そのため、特別加入制度を利用することで労災保険に加入することが可能です。

対象者の条件

特別加入制度の対象となるのは、次の4種類に該当する人たちです。

  • 中小企業主等:金融業・保険業・不動産業・小売業は50人以下、卸売業・サービス業は100人以下、その他の業種は300人以下の労働者を常時使用
  • 一人親方等:労働者を使用していても、使用した日の合計が年間100日未満である場合
  • 特定作業従事者:特定農作業従事者や指定農業機械作業従事者・国又は地方公共団体が実施する訓練従事者・家内労働者及びその補助者など
  • 海外派遣者:国内の事業主から海外の事業に労働者・事業主等として派遣されている場合など
主な補償内容

労災保険へ特別加入した場合は、一般の労働者同様、以下のような補償が適用されます。

  • 療養補償:業務中、もしくは通勤中のケガや病気により、医療機関にかかった際の治療費が補償される
  • 休業補償:通勤中のケガや病気が原因で働けなくなった場合、休業4日目より給付基礎日額の6割、特別支給金として給付基礎日額の2割が補償される
  • 傷病補償:1年半以上休業してもケガや病気が治癒していなく、傷病等級1~3級のいずれかに該当する場合に補償される
  • 障害補償:業務中、もしくは通勤中のケガや病気により身体に障害が残った場合に支給される
  • 介護補償:業務中、もしくは通勤中のケガや病気による障害の状態が重度で、介護を受けている場合に支給される
  • 遺族補償:一人親方が業務中、もしくは通勤中のケガや病気により死亡した場合、遺族に対して年金または一時金として支給される
  • 葬祭料:葬祭を行うのにふさわしい遺族の方に対して、給付基礎日額に応じた金額の葬祭料が支給される

労災保険の保険料率とは?

労災保険料の計算に用いられる料率が「労災保険料率」です。
労災保険料率の分類のされ方や、労災保険の計算方法についてご紹介します。

保険料率は業種によって分類されている

労働保険の保険料の徴収等に関する法律 」によると、労災保険料率は労災保険事業が将来にわたって財政を均衡保持できるように設定されています。
3年ごとに審議のもとで改定が行われているため、こまめにチェックしておきましょう。

労災保険料率は業種によって細かく分類されています。

例えば、「金属鉱業・非金属鉱業(石灰石鉱業又はドロマイト鉱業を除く)・石炭鉱業」は保険料率が高く、「電気・ガス・水道又は熱供給の事業」は低いというように、労働災害のリスクによって設定されているのが特徴です。

労災保険特別加入でかかる保険料の計算方法

労災保険特別加入の保険料を計算する際は「保険料算定基礎額×保険料率」を用います。
保険料算定基礎額は「給付基礎日額×365」で計算されるものです。

一人親方などは一般的な労働者と違って決まった給料がないため、特別加入時に給付基礎日額を3,500円~25,000円の範囲で本人が選んで設定します。

基礎給付日額が低いほど保険料は安くなりますが、補償内容も手薄になるため、慎重に選ぶ必要があります。

令和6年の保険料率改定でどう変わるのか?

令和6年4月から労災保険料率、および特別加入保険料率が改定されたため、詳しく見ていきましょう。

主な変更のポイント

今回の改定では、労災保険料率が業種平均で0.1/1000引き下げられました。

全54業種のうち、引下げとなったのが以下をはじめとする17業種です。

  • 林業
  • 食料品製造業
  • 木材又は木製品製造業
  • 金属製品製造業又は金属加工業など

また、引上げとなったのが以下の3業種です。

  • パルプ又は紙製造業
  • 電気機械器具製造業
  • ビルメンテナンス業

また、一人親方などの特別加入に係る第2種特別加入保険料率は、全25区分中、5区分が引下げとなりました。

さらに、請負による建設の事業に係る労務費率も改定されました。

特別加入における保険料率の変化は?

特別加入における保険料率についての変更点は、表の通りです。

事業又は作業の種類の番号 事業又は作業の種類 保険料率
(変更後)
保険料率
(変更前)
特1 労働者災害補償保険法施行規則第46条の17第1号の事業(個人タクシー、個人貨物運送業者、原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業) 11 /1,000 12 /1,000
特2 労災保険法施行規則第46条の17第2号の事業(建設業の一人親方) 17 /1,000 18 /1,000
特5 労災保険法施行規則第46条の17第5号の事業(医薬品の配置販売業者) 6 /1,000 7 /1,000
特14 労災保険法施行規則第46条の18第3号イ又はロの作業(金属等の加工、洋食器加工作業) 14 /1,000 15 /1,000
特15 労災保険法施行規則第46条の18第3号ハの作業(履物等の加工の作業) 5 /1,000 6 /1,000

参照:神奈川県労働局「第2種特別加入保険料率(令和6年4月1日改定)

特別加入の保険料率については1/1,000の引き下げとなるようです。

一人親方労災保険へ特別加入する際の保険料率以外の確認ポイント

一人親方労災保険への特別加入を検討されるにあたって、保険料率以外にも確認しておきたいポイントをご紹介します。

特別加入までの流れ

一般的な労働者は雇用主である事業所が労災保険加入の手続きをしてくれますが、一人親方などは自分で特別加入の手続きを行う必要があります。

ただし、自分で役所などへ行って手続きをするわけではありません。
特別加入団体を経由して手続きを行う必要があるため、まずは所属する特別加入団体を探すことから始めます。

特別加入団体を決めたら申し込み手続きを行いますが、粉塵作業を行う業務や振動工具を使用する業務など、特定の業務に一定期間以上携わっている人は健康診断を受ける必要があるため、確認が必要です。

申し込み手続きが完了して入金が確認されしだい、加入証明書と会員書を受け取れます。

特別加入団体の選び方

特別加入団体は、団体ごとに、対応しているエリアや提供している特約などに違いがあります。
そのため、まずは自分が住んでいるエリアに対応している団体の中から、条件に合うところを探しましょう。

例えば、申し込みから加入までのスピードにも違いがあります。
早い団体だと申し込みの翌日には加入でき、加入証明書は即日発行されるため、急な現場要請にも対応できる可能性があるでしょう。

また、特定の政治団体や宗教団体と関係のある団体に加入すると、選挙活動の手伝いや集会への参加を求められることもあるため、注意が必要です。

そのほかにも、スタッフの対応はよいか、社会保険労務士が在籍しているかなどのポイントもチェックしておくとよいでしょう。

特別加入に必要な書類

特別加入の手続きに必要な書類を確認しておきましょう。

まず、身分証明書のコピーが必要です。
運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きのものであれば1枚で済みますが、健康保険証や国民年金手帳など顔写真が付いていないものだと2枚必要になる場合も多いようです。
すぐに提示できるよう、用意しておくとよいでしょう。

郵送やFAXで申し込む場合は、加入申込書も必要になる可能性があります。
多くの場合、特別加入団体のホームページからダウンロードできるため、確認しておいてください。

ただし、インターネットでの申し込みだと加入申込書が不要な場合もあります。

そのほか、選択する給付基礎日額が高い場合には、所得証明書の提出を求められることもあるでしょう。

保険料以外にかかる費用

労災保険料以外にかかる費用についても、事前に確認しておきましょう。

まず、特別加入団体に入会する際に入会金がかかる場合があります。
金額は1,000~3,000円の場合が多くなっていますが、中には無料の団体もあるため、チェックしてみるとよいでしょう。

また、団体の事務手数料として組合費が発生します。
組合費は500~2,000円程度の場合が多く、年払いと月払いを選択できる団体もあります。

そのほか、更新手数料や労災事故申請時の手数料・組合員証再発行手数料などが発生することもあるため、金額を確認しておくのがおすすめです。

まとめ

労災保険に特別加入する際の保険料率について、詳しくご紹介しました。

一人親方など「労働者」に該当しない人は、特別加入制度を利用することで労災保険に加入できます。

保険料の計算には保険料率を用いますが、令和6年4月に改定されているため、間違えないよう確認しておいたほうがよいでしょう。

本記事では、一人親方労災保険へ特別加入する場合を例に挙げて、加入の流れや必要な書類など、事前に確認しておきたいこともご紹介しています。
労災保険への特別加入を検討されている一人親方様は、ぜひ参考にしてください。

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