一人親方労災保険の「労災センター通信」

建設現場に多い事故の原因とは?発生状況や事故例、防止策も解説

建設現場は重機等が出入りする環境であり、作業員は高所や夏場の高温環境下での作業など常に危険を伴います。
そのため、管理者は万全な安全対策を講じる必要があります。

今回は建設現場で多い事故の原因と予防策についてまとめました。
また、一人親方が事故に備えるために役立つ「労災保険」についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

建設現場における事故の発生状況

厚生労働省「令和5年 業種別労働災害発生状況(確定値)」によると、建設業での死亡者数は223人、死傷者数は14,414人と前年に比べて減少したものの、依然として死亡災害が多く発生しています。
建設現場での事故は「令和5年労働災害発生状況事故の型別」(厚生労働省)によると、死亡者数、死傷者数ともに「墜落・転落」が最多の原因という結果でした。

分類別の事故原因については以下の通りです。

分類 原因
死亡災害 墜落・転落:86件
交通事故(道路):25件
飛来・落下:21件
死傷災害 墜落・転落:4,554件
はさまれ・巻き込まれ:1,704件
転倒:1,598件

参照: 厚生労働省「令和5年労働災害発生状況の分析等」

また、死亡者数では「飛来・落下」が、死傷者数では熱中症を含む「高温・低温物との接触」前年に比べ増加傾向にありました。

建設現場の事故はほかにも以下のケースがあります。

  • 転倒
  • 接触・激突され
  • 切れ・こすれ
  • 動作の反動・無理な動作
  • 高温・低温物との接触
  • おぼれ など

建設現場で事故が発生する原因と対策

建設現場で事故が発生する原因を大きく4つの要因に分け、それぞれの対策方法についてまとめました。

管理面

建設業の人手不足が指摘されている現在、作業員に無理な労働をさせ、激務による過労で作業中に落下事故が発生した事例があります。
建設現場の管理者は安全管理と安全教育の徹底が必要です。
特に、現場への新規入場者への安全教育と作業員全体でフォローを継続することが大切です。

・労働環境の整備が不十分
・人員不足・誘導員の配置不足
・作業員の体調管理不足

管理者は社外から専任の安全巡視員を配置するなど、パトロールの強化によって安全確保に努めましょう。
安全対策の一つとして、「ヒヤリハット」事例の周知徹底も作業員が危機意識を持つことで、事故防止につながります。
建設現場の管理者はリスクを予測した作業計画を立て、作業員が能力を発揮できる環境を整えることが求められます。

従業員面

建設現場での事故は作業員が事故を誘発してしまうケースもあるため、ストレスケアも大切です。
建設業は人員の入れ替えが激しい業種で、複数の会社から集まった下請工事業者が同じ現場で働くことが多く、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。

ストレスが原因で体調不良や過労で注意力や集中力が低下し、判断力が鈍るなど、作業員のケア不足で思わぬ事故を起こす危険があるため注意が必要です。

また、「作業前の設備点検をしない」「安全帯の未着用」など不注意や慣れによる過信も事故を招く原因になります。
ほかにも、作業員の高齢化に伴う能力の低下や若年層の経験不足などが要因にあり、事故防止対策を怠らないことが重要です。

天候・環境面

建設現場の事故原因において、天候や環境面も関わります。
特に、飛来・落下事故や崩壊・倒壊事故は、強風・竜巻・大雨等の天災による原因が多く、中でも足場の崩壊は第三者災害に直結するため細心の注意を払う必要があります。
日頃から足場の安全点検を行い、天災の際には早めに作業を中止するなどの判断が必要です。

また、暑さがピークに達する夏季は熱中症が多発し、特に8月は事故発生率が高くなっています。
さらに、冬季も寒暖差により、作業員が体調を崩しやすく、時期や環境が事故発生率に影響を及ぼします。

作業環境の改善策としては、「熱中症対策として仮設テントの休憩所を設置する」「送風機付きの作業着の着用を義務付ける」など、作業員の体調を考慮した環境配備が大切です。

機械・道具面

建設現場の事故は機械や道具面での不備や欠陥、劣化などが原因で事故が誘発されるケースがあります。
また、「機械や道具の点検や整備が適切に行われていない」など安全管理を怠ることで事故が発生します。

建設現場では機械や道具による事故防止対策として、「重機へのバックセンサーやバックモニターを設置する」「挟まれ防止バーを取り付ける」など基本的な安全管理を徹底して行いましょう。

建設現場における事故の例

建設現場における三大事故の原因と例について、以下の表にまとめました。

種類 原因 建設現場における事故の例
墜落・転落事故
  • 手すりや足場の固定が不十分
  • 足場の組み立てや解体作業中または足場上で作業中にバランスを崩す
  • 安全帯を使用せず作業する
  • 足場の組み立てや解体作業中に手すりがなく、バランスを崩して作業員が墜落
  • 足場の解体作業中、足場上を移動していたところ地上に墜落 など
はさまれ・巻き込まれ事故
  • 機械の点検や確認・安全装置が不十分
  • 危険予知が不十分
  • 作業標準にない非定型作業
  • 安全が組み込まれない設計不足
  • 旋回したドラグ・ショベルと地山との間にはさまれ死亡
  • ダンプトラックが突然後退し、ダンプトラックと柱に挟まれる など
飛来・落下事故
  • 作業手順に不備があった
  • 作業状況の確認が不十分
  • 資材の落下に対する対策が不十分
  • 橋梁下部工に仮止めされた土止め支保工が落下し、下敷きとなる
  • 杭打ち機のジブを伸ばした際、補巻ワイヤロープが切断し、フックが落下 など

参照: 労働者健康安全機構「労働衛生対策の基本⑦転倒、転落、はさまれ対策」
参照: 厚生労働省「労働災害事例」

上記3つの事例と原因について、厚生労働省の「労働災害事例 」を基に説明していきます。

墜落・転落事故

墜落・転落事故の例として、足場の解体作業中、足場上を移動していたところ地上に墜落し死亡した事故が挙げられます。

この事故は日没に差し掛かり、薄暗くなり始めたマンションの大規模修繕工事現場にて足場の解体作業中に発生しました。
解体した足場材の受け渡し役として、荷降ろし役と解体役から足場材を受け取るために足場上を移動した際、足場から地上に転落したようです。

事故の原因については、以下が考えられます。

  • 2丁掛けの安全帯の使用が不適切だった・日没を迎え現場が薄暗くなり始めたことから、安全帯のフックを掛ける親綱を目視できなかった
  • 専任の監視人が不在で作業主任者は自ら作業を行いながら監視業務も行っていた

また、対策については、以下が挙げられます。

  • 2丁掛けの安全帯の適切に使用し、作業開始前に作業員に相互確認を徹底させる
  • 作業が日没以降になる時は、手元や足元が確実に見える照度を確保できる照明設備を設ける
  • 監視人または副担当となるべき人員を複数選任し、監視人が不在にならないよう体制を強化する

機械によるはさまれ・巻き込まれ事故

はさまれ・巻き込まれ事故の例として、旋回したドラグ・ショベルと地山との間にはさまれ死亡した事故が挙げられます。

擁壁造成工事現場において、ドラグ・ショベルの機体を旋回してフックに鉄板を玉掛けしてつり上げ、クレーンの作業中に発生しました。
鉄板の仮置き場での玉掛けと所定場所での玉外しを担当していた作業者Aが、2枚目の鉄板を玉外しの設置後、ドラグ・ショベルの運転者Bは、機体を左旋回させ鉄板の仮置き場を向きました。

Bは周囲を確認しないまま機体を旋回させたところ、機体と地山の間にはさまれAは死亡したようです。
当時、機体の周囲に合図者は未配置で、Aは玉掛け作業の資格がなく、Bは移動式クレーンの運転資格を持っていませんでした。

事故の原因については、以下が考えられます。

  • 誘導者を配置せずにドラグ・ショベルの可動範囲内に作業者を立ち入らせた
  • 必要な資格を有する作業者が配置されていなかった

また、対策については、以下が挙げられます。

  • ドラグ・ショベルの移動や旋回を指示する誘導者を配置する
  • 有資格者に作業を行わせる

飛来・落下事故

飛来・落下事故の例として、トラッククレーンでつり上げ作業中に突風で補助ジブが折れ、つり荷が落下した事故が挙げられます。

この事故は、風速8m/秒程度の強い風が吹く建築工事現場において、トラッククレーン(つり上げ荷重100t)で長尺な屋根材(折板)をつり上げる作業中に発生しました。
荷重合計1.18tのつり荷を3m程度つり上げた時に、突風が吹いて補助ジブが折れ曲がり、つり荷が落下したようです。

事故の原因については、以下が考えられます。

  • 突風により水平に吊られた折板が風で傾き、風荷重の鉛直分力を増加させて過荷重となった
  • 過負荷防止装置が正しく設定されていなかった
  • 安全な作業方法の周知不足

また、対策については、以下が挙げられます。

  • 強風時に長尺な荷のつり上げを行わない
  • 過負荷防止装置には正しい作業条件を入力し、安全装置を正常に機能させる
  • 安全な作業方法について、関係労働者に教育する

一人親方は建設現場の事故に備えて労災保険に特別加入しておくと安心

建設現場では、少しの気の緩みによって大事故に繋がることも多く、作業員は常に危険と隣り合わせです。
万が一、建設現場で事故が発生してしまった災害で被ったケガや病気に対して労災保険での補償が安心です。
ここでは「一人親方」の方も加入できる労災保険の特別加入について解説します。

労災保険の特別加入とは?

公的保険の一つである労災保険は、従業員を雇用した場合は加入が義務付けられており、労災保険は原則として雇われている方を対象としたものとなります。

しかし、例外的に労働者に準じて保護することが適切と思われる方にも労災保険に加入できる「労災保険の特別加入制度」があります。

一人親方労災保険加入のメリット

一人親方労災保険の特別加入のメリットは以下の通りです。

  • 給付基礎日額に応じた額の補償を受けられる
  • 仕事中や通勤中のケガも自己負担なく無料で治療が受けられる
  • 治療のために休業した場合、給付基礎日額に応じた額の休業補償の給付あり
  • 障害が残った場合、障害の程度と給付基礎日額に応じた額の障害補償あり
  • 仕事中の事故で死亡した場合、一定の遺族に遺族の人数と給付基礎日額に応じた額の遺族補償あり

一人親方労災保険への加入の注意点

労災保険の特別制度において従業員を雇用している場合は、一人親方労災保険に加入できないため注意が必要です。

例えば、以下が該当します。

  • 契約が仕事の完成ではなく労働力を提供することに対して報酬を貰う場合
    請負契約ではなく雇用契約や委任契約に該当する可能性が高いため
  • 個人事業主でも人を雇用する場合
    中小事業主の労災保険の特別加入に該当するため

ただし、労働者を使用する場合であっても、年間の使用日数が100日未満なら一人親方に該当します。

【一人親方でも加入できる】労災保険特別加入は安く早く便利な「一人親方団体労災センター」

一人親方団体労災センターでかかる費用は、給付基礎日額に応じた労災保険料と月々500円の組合費のみです(入会金初年度のみ1,000円)。
スマートフォンやPCからネットで簡単にお申込みができ、最短で翌日に加入できます。
支払方法は銀行払い・コンビニ払い・クレジットカード払いの3種類です。

東北、関東、中部、関西、九州、沖縄などの全国規模で加入可能です。
低価格で安心の補償を得られる労災保険へ特別加入を希望される一人親方の方は当センター までご連絡ください。

まとめ

今回は建設現場での事故原因や対策についてお伝えしました。
建設現場の事故は墜落・転落事故が最も多く、主に「滑り」「踏み外し」「自分の動作の反動」が3大原因として発生します。

事故とすり合わせの環境にある建設現場で働く方にとって、労災保険に加入することはリスクヘッジとなります。
一人親方の皆さんの安全を守るためにも、労災保険の特別加入はこちらからお問い合わせください。

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