一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方が労災保険に短期加入するメリットは?注意点や加入方法を解説

急な現場入りが決まり、労災保険に短期加入したい一人親方もいるでしょう。
一人親方労災保険では年単位での長期加入のほか、月単位で短期加入できる場合があります。

本記事では、労災保険に短期加入するメリットや加入方法について解説します。
短期で仕事を請け負うことが多い一人親方や、月単位の労災保険に短期加入するか迷っている一人親方はぜひ参考にしてください。

一人親方は労災保険に短期加入できる?

一人親方労災保険組合によっては、短期加入できる場合があります。
一般的には、一人親方が加入する労災保険は4月から翌年3月末日までの年単位での契約です。
加入時に入会金や組合費、加入期間分の保険料を支払います。

労災保険に短期加入するためには、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の短期プランや月単位の加入に対応した団体や組合を探す必要があります。
短期加入できる組合によっては、最短翌日から労災適用となり、オンラインでの申込みが可能です。

労災保険の短期加入に向いている一人親方のケース

労災保険の短期加入に向いている一人親方のケースは、次の通りです。

  • 繁忙期や応援作業など短期間の現場作業に入るケース
  • 数週間から1~2ヶ月など単発で現場入りするケース
  • 現場入りの予定が直前に決まるケース

繁忙期や短期間の現場作業を行う一人親方や、仕事がない月の保険料を抑えたい一人親方は、短期加入を検討するとよいでしょう。

一人親方が労災保険に短期加入するメリット

年間契約よりも保険料の支払いを軽減できる

労災保険に短期加入するメリットは、年間契約よりも保険料を軽減できることです。
通常の労災保険は、基本的には年間契約のため仕事がない月にも保険料が発生します。
短期加入の場合、加入期間以外の保険料が発生しないため、年間契約よりもコストを抑えられるでしょう。

特に、繁忙期や短期アルバイトとして仕事を請け負う場合は大きいメリットとなります。
労災保険料と補償内容はどの加入団体でも同じなので、組合費が安い団体から加入した方がお得です。

手続きすると延長もできる

工事の進捗状況によって、予定より作業期間が長引く場合、加入期間内に手続きすると労災保険の加入期間を延長できます。
ただし、加入期間を延長したい場合は必ず失効前に手続きしましょう。
再加入の場合は、入会金や手数料が発生する場合ため、注意してください。

解約の手続きが不要なケースが多い

年単位で契約する労災保険の場合、年度末の更新時期に脱退手続きをする、もしくは年度途中で脱退するのが一般的です。
脱退は申し出てから時間を要する場合が多く、必ずしも脱退を申し出た月に脱退できるとは限りません。
そのため、1ヶ月分の保険料が余分にかかることもあります。

短期加入の場合、解約手続きが不要なケースが多いです。
1ヶ月単位の契約に応じて自動的に契約終了となり、事務手続きが簡易なケースもあります。

労災保険に短期加入するデメリット

延長するたびに入会金や手数料がかかる

労災保険の短期加入は、延長するたびに入会金や事務手数料がかかってしまう点です。
通常の加入と比較してもコストがかかってしまうため、頻繁に短期加入を繰り返すことはデメリットが大きいでしょう。

短期加入は契約期間終了後に自動更新されないため、加入が必要な期間を自分で適切に管理することが大切です。

契約期間の短縮や途中解約ができない

労災保険の短期加入は、一般的に1ヶ月単位での契約で、基本的に契約期間の短縮や途中で解約ができません。
5日間のみ働く場合でも日割り計算はされず、1ヶ月分の保険料が発生するため、計画的に加入する必要があるでしょう。

最低加入月数は加入団体によって異なるため、事前に確認してください。

労災保険に短期加入する際の注意点

特定業務従事者は短期加入できない場合がある

特定業務に一定期間以上の従事経験がある場合は、加入時に健康診断の受診が必要なため、労災保険に短期加入できない場合があります。

特定業務内容 従事期間
粉じんを伴う業務 3年以上
振動工具を使用する業務 1年以上
鉛業務 6ヶ月以上
有機溶剤業務 6ヶ月以上

上記の業務内容と従事期間に該当している一人親方は、健康診断を受診の上、一般的な年単位での加入を検討しましょう。

短期加入を繰り返すと労災認定が厳しくなる場合がある

民間保険会社の生命保険に加入後、すぐに病気に罹患した場合や死亡した場合に調査が入るように、短期加入を繰り返していると労災認定が厳しくなる場合があります。

例えば、労災保険の短期加入後すぐに事故を起こした場合、加入して間もなく事故に見舞われたことになります。
保険加入直後の事故は、審査が厳しくなる要因です。

必要な期間が短いからと、安易に短期加入を繰り返すことは避けるべきでしょう。

労災保険に短期加入するまでのステップ

①短期加入や月払いが可能な一人親方労災保険団体や組合を探す

まずは短期加入に対応しているプランや月払いが可能な一人親方労災保険団体・組合を探しましょう。
短期加入手続きを簡単に済ませたい一人親方は、インターネットで手続きできる団体がおすすめです。

②加入団体指定の必要書類を準備する

加入団体が決まったら、指定の必要書類を準備して、所定の手続きを済ませます。
労災保険に短期加入するために必要な書類は、特別加入申込書または申込フォーム、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードの写し)などです。

③加入申込書に署名して保険料を納付する

加入申込書に署名して必要書類を提出したら、保険料を納付します。
入会金と組合費、加入月数による給付基礎日額に応じた額の労災保険料を支払いましょう。

<例>給付基礎日額5,000円で令和7年11月~12月の2ヶ月間加入した場合の保険料支払いイメージ

加入期間 入会金 組合費 労災保険料 合計金額
2ヶ月 1,000 円 2,000円 5,168 円 8,168 円

短期加入の支払い金額の見積もりを知りたい人は「【短期加入】一人親方労災保険お支払い金額の自動お見積り 」をご活用ください。

④労災開始日と労災加入証明書を確認する

保険料を納付後、申込みから1~2営業日後に「労災開始日」が設定されるため、必ず確認しましょう。
元請会社から労災加入証明書の提出が求められている場合は、即日発行が可能な加入団体を選ぶと便利です。

労災保険の短期加入に関するよくある質問

一人親方労災保険に短期加入した方が保険料が安い?

一人親方労災保険に短期加入したからといって、保険料が安くなるとは言い切れません。
月払いの短期加入と年払いの長期加入の保険料は、一般的に月払いのほうが割高に設定されていることが多いです。

短期の現場が複数あり、短期加入と脱退を繰り返す場合は、保険料以外に組合費や事務手数料がかかってしまいます。
年間加入のほうが結果的に割安なことがあるため、1年を通した自身の事業予定を見据えて加入コストを試算するとよいでしょう。
短期加入と長期加入どちらに向いているかは一人親方によって異なるため、自身の状況に合わせて加入を検討してください。

一人親方労災保険に1日だけや1ヶ月だけ加入はできる?

労災保険は基本的に日単位で加入はできず、最短でも1ヶ月単位が一般的です。
一人親方労災保険に1ヶ月のみの加入は可能ですが、1日だけの加入はできません。

元請会社は労働安全衛生法第29条で「元方管理義務」が課せられているため、労災保険に未加入の一人親方が一日でも現場に入る場合、リスキーだと判断されてしまう可能性があります。

一人親方労災保険特別加入は義務ではないため、未加入でも違法ではありません。
しかし、労災保険に加入していないと補償が受けられなかったり、現場に入れなかったりとリスクがあります。

一人親方労災保険の短期加入は経費にできる?

労災保険は雇用されている労働者を対象とした制度のため、一人親方自身の保険料として支払った分は経費に含まれません。
一人親方が雇用している従業員の労災保険料は「法定福利費」の勘定科目で経費にできます。

一人親方労災保険に短期加入する際に経費にできるものは、入会金、組合費、事務手数料などです。
ただし、支払った保険料は確定申告で社会保険料控除として所得控除を受けられます。

労災保険は最短でいつ加入できますか?

労災保険に最短で加入できる日は、申込み日の翌日以降から適用されるケースが多いです。
加入団体によっては、申込み当日に加入証明書の発行が可能なこともあり、申込み日から保険が使える場合もあります。
即加入が可能な団体からの労災保険加入は、急な短期間の現場作業に入ることになった一人親方にとって安心でしょう。

労災保険の短期加入は一人親方団体労災センターへ

一人親方団体労災センターでは、1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月単位で最短翌日から短期加入ができます。
手続きは、インターネットから必要事項を入力するだけで簡単です。

入会金 組合費 労災保険料
1,000円 1~2ヶ月加入2,000円、3ヶ月加入3,000円 給付基礎日額に応じた額(加入月数による)

短期加入を希望される方は、加入証明書が即日発行可能な「一人親方団体労災センター」からぜひ加入をご検討ください。

まとめ

労災保険の短期加入に向いている一人親方は、スポットでの仕事や応援で短期間現場へ入る場合などです。
1年分の保険料の支払いが難しい一人親方は、1ヶ月単位での保険料の支払いによってコストを抑えたうえで、必要な補償を受けられます。
年間保険料の負担が厳しい一人親方や、スポットで仕事を請け負うケースが多い一人親方は、本記事を参考に労災保険の短期加入をご検討ください。

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