一人親方は仕事探しに苦労することも少なくないでしょう。
個人事業主である一人親方は、自ら仕事を確保しなければならず、安定した受注を続けるには工夫が必要です。
しかし、どのように仕事を探せばよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、一人親方におすすめの仕事探しの方法や、継続的に仕事を受注するためのポイントについて解説します。
一人親方として安定した受注を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
一人親方が仕事探しをする方法6選
個人事業主である一人親方は、自力で仕事を獲得する営業力が必要です。
本章では、一人親方が仕事探しをする方法について6つ解説します。
地道に営業活動を行う
駆け出しの一人親方の場合は、営業活動を地道に行い、顔と名前を覚えてもらうことが大切です。
保有資格やこれまでの実績、得意な工事など具体的なスキルや強みをアピールして、受注につなげましょう。
営業は、基本的に元請業者へ名刺を持って挨拶に行き、電話や訪問をして仕事の紹介や発注の相談を行います。
地域の建設会社や工務店のホームページで職人の募集情報を確認し、直接アプローチするのもよいでしょう。
職人募集中の現場や事務所に名刺を渡して売り込みに行く「飛び込み営業」も有効です。
名刺は自分を覚えてもらうツールとして、常に携帯して積極的に配る習慣をつけましょう。
関連記事:「一人親方に名刺は必要!記載すべき項目とおすすめのデザインも解説」
既存顧客からリピートを受ける
既存顧客からのリピート受注は、一人親方が安定して案件を確保するための有効な方法です。
一度依頼された仕事で期待以上の成果を出すことで、次回の依頼や新たな人脈の紹介につながることも少なくありません。
丁寧なコミュニケーションを心がけて良好な関係を維持することで、将来の仕事の依頼につながる可能性があるでしょう。
現場での休憩時間に、ほかの職人さんと積極的にコミュニケーションを取ることも人脈形成に重要です。
取引先や知人から紹介を受ける
過去の取引先・職人仲間・知人など、今まで構築した人脈を積極的に活用することで、紹介を受けられる可能性があるでしょう。
建設業界は信頼関係が仕事につながりやすく、友人や知人の人脈を活用することはキャリアの差を問わず有効な方法です。
また、信頼関係が土台にある紹介は、共通の知人を介して初見の相手でも話がスムーズに進みやすいでしょう。
日頃から真摯に仕事へ取り組み、人とのつながりを意識しながらコネクションを築くことが重要です。
異業種交流会へ参加する
交流会には、決裁権を持つ経営者本人が参加していることが多く、仕事につながる可能性があります。
商工会議所が主催する建設業関連の交流会や異業種交流会は、普段は会う機会がない人と顔を合わせられるため、人脈が広がりやすいでしょう。
名刺交換の際は、自分の専門分野や強みを簡潔に伝えることが大切です。
求人サイトから応募する
建設業界に特化した求人サイトや大手の転職サイト、ハローワークも、一人親方の仕事探しに有効な手段です。
職人や作業員の募集内容と条件を確認して、ほかの応募者との差別化を図るために、応募時は積極的に自身の強みをアピールしましょう。
大手の転職サイトでは、キャリアアドバイザーに転職の相談ができるサービスを提供している場合もあります。
また、全国に拠点があるハローワークでは、職歴や技術などを踏まえ、担当者と相談しながら希望条件に合った求人情報を探せます。
自分の職種や希望条件に合った求人を見つけるためには、1つに絞らず、複数の媒体や会社に応募すると効率的です。
職業訓練や各種セミナーの受講も可能なため、スキルアップしたい場合も最寄りのハローワークに登録するとよいでしょう。
職人のマッチングサービスを利用する
仕事を探したい一人親方は、マッチングサービスも活用してみましょう。
マッチングサービスとは、仕事の依頼主と受注先を仲介して双方の条件をマッチングさせ契約するシステムのことです。
サイトに掲載された業務内容や条件を確認し、受注側の一人親方が応募して依頼主に選ばれることでマッチングが成立します。
スマートフォンやパソコンから個人情報や保有資格などの基本情報を入力して、簡単に登録できます。
手軽に好条件の仕事を見つけやすく、案件内容や予算を確認しながら検索や応募が可能です。
ただし、利用するサイトによっては成約時に手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しましょう。
また、人気の高い案件には応募が殺到しやすく、必ずしも受注につながるとは限りません。
応募者が多数の場合は、発注者側に選ぶ権利があるため、自己紹介文や過去の施工例、得意分野などの実績を具体的に記載して差別化を図るとよいでしょう。
一人親方で仕事がもらえない原因
一人親方は、営業不足や価格競争、業界構造などによって仕事がもらえないことが考えられます。
<一人親方で仕事がもらえない原因>
- 自ら営業活動を行う割合が低い
- 元請けからの仕事に依存する業界構造
- 技術力があっても最安値の業者に仕事を奪われる価格競争の社会
仕事は待っていても発生しないため、自身の営業努力とデジタルツールを活用して積極的に行動しましょう。
仕事をもらうためには、清潔感のある作業着を着用して身だしなみを整え、第一印象に気を配ることも大切です。
一人親方が安定して仕事を獲得する4つのポイント
本章では、一人親方が安定して仕事を獲得する4つのポイントについて解説します。
技術力向上と資格取得で単価アップ
一人親方として安定して収入を伸ばすには、技術力の向上と資格取得が欠かせません。
技術力が高まると対応できる業務の幅が広がり、より専門性の高い案件を受注しやすくなります。
また、資格は専門知識や技能を客観的に証明する手段です。
案件によっては資格保有が条件となる場合もあり、受注機会の拡大につながります。
セミナーや講習会への参加、資格取得に向けた学習などを通じて継続的にスキルを磨くことで、単価アップや安定した受注を目指せるでしょう。
関連記事:「一人親方に必要な資格とは?建設業で独立するための準備を解説」
仕事の納期を遵守し誠実に対応して信頼性を高める
一人親方は、複数の現場を効率的に進め、納期を守れるようにスケジュール管理を徹底しましょう。
請け負った仕事は、依頼者の期待を上回る品質を目指して取り組むことが大切です。
また、技術力や資格だけでなく、信頼されることで次の仕事につながりやすくなります。
一人親方が仕事を獲得し、長期的に成功するためには、良好な人間関係を築くコミュニケーション能力も欠かせません。
相手の話をよく聞き、自分の考えも伝えることで、元請やほかの職人との連携を図りやすくなるでしょう。
取引先を複数持ち閑散期には新規開拓や副業を検討する
一人親方は、取引先を複数持ってリスクを分散させることも重要です。
仕事量には波があり、収入が途絶えるリスクも伴うため、閑散期には新たな取引先の開拓や副業を検討するとよいでしょう。
例えば、営業や交流会への参加による新たな取引先の開拓、求人サイトやマッチングサービスを活用した短期案件の獲得などが挙げられます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)を登録する
国土交通省が推進する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、建設業技能者個人の就業実績・保有資格・社会保険加入状況などを登録するサービスです。
CCUSに登録すると就業履歴やスキルが自動的に記録され、客観的データとして一人親方のキャリアの証明になります。
CCUSの事業者登録料は、一人親方の場合は無料、管理者ID利用料は2,400円かかります。
技能者登録料は、インターネット申請2,500円(簡略型)、4,900円(詳細型)、認定登録機関申請で4,900円(詳細型)です。
簡略型は本人情報・社会保険情報・所属事業者情報が、詳細型は証明書類が必要となるものの保有資格情報も登録可能です。
大手ゼネコンの現場ではCCUSへの登録が必須条件になる場合があります。
就業履歴が蓄積されるため、一人親方として長く働くことを考えている場合は、早めの登録を検討するとよいでしょう。
一人親方の仕事探しに関するよくある質問
本章では、一人親方の仕事探しに関するよくある質問についてまとめました。
一人親方が登録できるマッチングサイトは?
一人親方が無料で会員登録できる代表的なマッチングサイトを3つ紹介します。
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| 助太刀 | 全国20万以上・82職種の事業者が利用する国土交通大臣賞受賞の大型マッチングサイト。 |
| ツクリンク | 月間利用者数60万人、サービス開始10年で12万社が利用。有料プランもあり。 |
| 請負市場 | 企業登録数3万社以上、掲載案件数1万2,000件以上。幅広い仕事内容の案件検索が可能。 |
スマホで簡単に登録できるマッチングサイトは、手数料がかかる場合があるものの効率的に仕事探しができます。
現場仕事が多く、自ら営業する時間を取りにくい一人親方はマッチングサイトを活用するとよいでしょう。
職人マッチングサイトを活用する際の注意点は?
職人マッチングサイトを活用する際の注意点として、登録は無料でも成約時に手数料が発生する場合や、プランによって月額・年額の費用がかかる場合があります。
また、手軽に応募できるものの、評価システムにより、発注者から低評価を受けると仕事獲得が難しくなるでしょう。
インターネット上で悪徳業者によるトラブルに遭遇するリスクもあるため、初めて取引する相手とは契約前に直接会う・契約内容を書面で確認するなど、慎重な対応が重要です。
建設キャリアアップシステムに登録するメリットは?
建設キャリアアップシステムに登録するメリットは、次の通りです。
- スキルが公的に証明され、正当な賃金で仕事を得られやすい
- 社会保険への加入状況が登録でき、現場への入場制限がある取引先の仕事を受けやすい
- 登録後に発行される専用のカードを現場の専用機器にかざすだけで自動的に就業履歴が記録される
- 建設業退職金共済関連の手続きがシステム上で可能など、事務手続きが簡略化する
建設キャリアアップシステムに登録することは、技能者、元請や下請業者にもメリットがあるため、建設業界の透明性向上が期待されています。
関連記事:「建退共は一人親方でも加入可能!加入条件やメリット・掛金まで解説」
一人親方はいくら稼げる?
全建総連東京都連合会の調査を参考に、一人親方の一日当たりの賃金、平均年収ともに2023年のデータを表にまとめました。
| 一日あたりの賃金 | 平均年収総額 | |
|---|---|---|
| 材料持ち | 2万1,848円 | 約534万円 |
| 常用 | 1万7,929円 | |
| 手間請 | 2万2,871円 |
参考:全建総連東京都連合会「2025年(R7年)賃金調査報告書」
仕事内容や働き方によって異なるものの、一人親方の一日あたりの賃金は年々増加傾向で、平均年収は前年比2.41%アップの12万5,579円増額となっています。
関連記事:「一人親方の単価はいくら?単価を上げる方法や案件受注時の注意点を解説」
まとめ
一人親方の仕事探しは、人脈や既存顧客との縁を活かした積極的な行動と営業力が必要です。
閑散期には、交流会への参加や求人サイト・マッチングサービスなども活用して、新規開拓を行いましょう。
一人親方として稼ぐためには、技術力を向上し、継続的な受注が受けられるように取引先との信頼関係を大切にしてください。
