一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方は国民健康保険の加入が必須|節約と保障の充実を図るには?

 国民健康保険は、国民一人ひとりが必要なときに、必要な医療を受けられるようにするための制度です。しかし、会社を辞めて一人親方になった方や、これまでなんとなく国民保険料を支払ってきた一人親方にとっては、月々の保険料が高いと感じたり、保障が心もとないと思うかもしれません。この記事では、全国における一人親方の労働上の安全をサポートする「一人親方団体労災センター」が、国民健康保険の概要や毎月の支払額のシミュレーション、安心をサポートする各種制度について解説していきます。
国民健康保険

一人親方には国民健康保険の加入義務あり

 国民健康保険は、全ての国民にとって義務であり、加入しなくてはならないものです。まずは、国民健康保険の理解を深めるため、概要や加入が義務付けられている理由を解説します。

国民健康保険とは

 日本では、国民健康保険(主に自営業者やその家族が加入)や社会健康保険(主に企業の従業員が加入)など、公的保険制度に加入することが義務付けられています。国民健康保険では、毎月保険料を負担する代わりに、病院などで保険対象の診療を受ける際に補助が受けられる制度です。被保険者が6歳~70歳の場合、本人の負担額は3割です。毎月の負担額は状況に応じ異なりますが、雇用者である企業が半額を負担する社会保険と比較すると、毎月の保険料は高くなる傾向があります。

加入が義務付けられている理由

 公的保険への加入が義務付けられているのは、国民全員で保険料を負担し、必要なときに必要な人が保険を適用して医療を受けられるようにするためです。健康保険が任意の制度とされ保険額が不足してしまうと、ケガや病気をした人が必要な際に、適切な医療を受けることができません。従って日本では、国民健康保険法という法律を根拠に、公的保険への加入が義務付けられています。

後期高齢者医療

 日本国民は社会保険又は国民健康保険のいずれかに加入しなければなりません。これを国民皆保険制度と言います。しかし、75歳(一定の障害のある方は65歳)になると自動的に後期高齢者医療制度へ加入することになります。運営は都道府県ごとに設立された後期高齢者医療広域連合ですが、実際の事務は各市区町村が行います。

 参考:後期高齢者医療制度について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-35.html

一人親方が加入できる国民健康保険の種類

 一人親方が加入できる国民健康保険には、自治体運営の「健康国民保険」と「建設国保」の2種類あります。
どちらの種類を選ぶかにより、月々の負担が大きく異なるケースもあるため、それぞれの概要を知ることが重要です。

自治体運営の保険

 自治体運営の国民健康保険に加入する場合、住民票を置く自治体の役所にて加入手続きをおこないます。自営業者・無職・その家族が加入する保険制度で、一般的に「国民健康保険」といえば、自治体運営の保険を指します。どの自治体の健康国民保険でも、受けられる補助の内容は変わりませんが、毎月の保険料は自治体によって異なります。

国民健康保険の場合の毎月の支払額

自治体運営の国民健康保険の支払額のシミュレーションは以下のようになります。

・国民健康保険(千葉県市川市の例)
40~64歳/個人事業主/加入人数1人・年収300万円のケース
保険料・・・16,653円/月(年額199,830円)40~64歳/個人事業主/加入人数1人・年収480万円のケース
保険料・・・27,808円/月(年額333,690円)40~64歳/個人事業主/加入人数1人・年収600万円のケース
保険料・・・35,568円/月(年額426,810円)

建設国保

 建設国保とは、建設業界の事業者(主に自営業者)が加入できる国民保険制度です。全国建設工事業国民健康保険組合が運営しており、令和3年現在全国で10万人以上が加入しています(本人とその家族)。自治体運営の国民健康保険は、収入額に応じて毎月の保険料が高くなるのに対し、建設国保は年齢により保険料が一律であるのが大きな特徴です。

建設国保の毎月の支払額

建設国保の支払額のシミュレーションは以下のようになります。

・建設国保
40~55歳/一人親方/加入人数1人/組合員以外(40~64歳)
保険料・・・23,300円/月(年額279,600円)

建設国保は、収入に関わらず負担額が一定であるため、収入が高い方ほどメリットの大きな国民保険制度です。
 参考:国民健康保険計算機、建設国保
http://www.kokuho-keisan.com/
http://www.kensetsukokuho.or.jp/

国民健康保険と建設国保との違い

 国民健康保険と建設国保との違いで注意すべき点がいくつかあります。建設国保は保険料以外に組合費が必要なります。したがって、建設国保の加入に当たっては国民健康保険料以外に組合費が必要になります。
 国民健康保険と建設国保とでは受けられる補償内容はほぼ同じですが、建設国保には国民健康保険にない制度として傷病手当金と出産手当金という制度があります。それぞれ1日あたり4,500円が90日を限度に支給されます。

建設国保の適用除外制度

最近は一人親方であっても法人化して仕事をするというケースが増えてきております。法人化した場合、政府管掌健康保険と厚生年金保険は通常セットで加入しなければなりません。この場合、国民健康保険や建設国保をやめて健康保険と厚生年金保険に加入の手続きをします。
 しかし、建設国保の場合適用除外という制度があり、この制度を利用することで健康保険に関しては建設国保の加入を続けることができます。
 
 ※ 厚生年金保険には適用除外という制度はありません。

一人親方が国民健康保険とともに加入できる保険制度

 一人親方の場合、医療費の補助だけでは保障が心もとないケースが考えられます。例えば、大きなケガや病気をしたときの無収入のリスクや、引退後の生活の保障などです。これらのリスクに備える保険制度について解説します。

国民年金

国民年金
 国民年金は、国民健康保険制度とともに、加入義務が課されている制度です。収入額に応じて国民年金を支払うことにより、65歳を迎えた後、一定の金額を受け取ることのできる制度です。未納の期間があれば、将来受け取れる額が減額される仕組みになっています。国民年金には障害や死亡に対しても給付があります。また、保険料の支払いが困難になったときには免除という制度があり、多くの面で民間の保険とは一線を画しています。

 参考:国民年金の加入と保険料のご案内

https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/20kanyu.html

各種民間保険

 民間の医療保険や生命保険には、入院保障・通院保障・病気やケガで仕事ができないときの保障などの商品があります。さまざまなニーズに応じた保険商品があるため、手厚い保障を求める一人親方にとって、重要な選択肢の一つになります。また、扶養家族のいる方や子どもの学資保険・がん保険など、ライフステージに応じた保障にマッチしているのは、各種民間保険の商品です。民間保険商品の加入は義務ではなく任意ですが、毎月の保険料が負担になるケースもあるため、保険料をシミュレーションして無理のないプランを設計することが重要です。

労災保険の特別加入制度

 ケガや病気をしてしまったときの保障として、活用したいのが労災保険です。仕事ができない程のケガや病気をしてしまったとき、一人親方の場合は、治療費の負担に加え収入がなくなるリスクがあります。労災保険に加入すると、次のメリットがあります。

  • 仕事中に発生したケガや病気の治療が、自己負担0円で受けられる
  • ケガや病気の程度によって、休業補償を受けられることがある
  • 仕事中に死亡してしまった場合、遺族給付が受けられる
  • 労災保険に加入することにより、仕事の請負元に対して安心感を与えられる

 労災保険は国民保険と同時に加入できる制度ですが、社員を主な対象としており、個人事業主である一人親方は加入できません。そこで検討していただきたいのが、「一人親方労災保険」です。

 「一人親方労災保険」は、労災センターが提供する月額500円(初年度のみ別途入会金1,000円が必要)+保険料のみで、一人親方が労災保険に加入できる制度のことです。
 労働局承認の「一人親方団体労災センター」が運営する安心できる保険で、最短で申し込みの翌日から入会できます。興味のある方は、ページにて詳細をご紹介していますので、ぜひチェックしてください。
 ちなみに、よく質問されることですが労災事故に遭った場合に国民健康保険は使えるのかと。結論から言うと使えます。ただし、国民健康保険法第56条の規定により労災保険に加入している場合は労災保険の使用が優先されます。

 参考:国民健康保険法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0000000192_20201001_501AC0000000009

まとめ

 身体が資本ともいわれる一人親方にとって、ご自身やご家族の健康を保障する保険制度に加入することは、とても重要です。日本では、国民健康保険(自治体運営の国民健康保険もしくは建設国保)と国民年金の加入が義務付けられています。国民健康保険と建設国保は、どちらに加入しても問題ありません。収入やお住まいの自治体によって適した保険商品が異なるため、シミュレーションなどを利用し月々の保険料を安く抑えられる方を、探されてみてはいかがでしょうか。
 また、いずれにせよケガや病気のリスクに備えるためには、国民健康保険のみでは不十分なケースがあります。「一人親方団体労災センター」では、一人親方が加入できる労災保険を提供しておりますので、興味のある方はぜひチェックしてください。

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