一人親方労災保険の「労災センター通信」

アルバイトや日雇いも労災保険は適用される?間違った情報と申請手順を紹介

 「アルバイトや日雇いは労災保険が適用されない」と勘違いしている労働者や事業者は少なくありません。そのため、労災事故に遭っても健康保険を使って自腹で治療するケースがあるようです。
 本記事ではアルバイトや日雇いでも労災保険の加入対象となることを、労災保険の加入条件や給付内容とともに解説します。
 労災保険に関する間違った情報や申請手順についても具体例を挙げてご紹介します。ぜひ本記事を参考にして労災保険をしっかりと活用してください。

労災保険はアルバイトや日雇いにも適用される!

 仕事中の事故で怪我や病気になったときに、診療費や治療費を補償するのが「労災保険」です。
 労働者の味方となる保険ですが、実はアルバイトや日雇いにも適用されることを知らない労働者や事業者は少なくありません。はじめに、そもそも労災保険の加入条件や加入対象となるのは誰なのかを解説し、給付内容や具体例をご紹介します。

そもそも労災保険の加入条件とは?

 まず労災保険の加入条件ですが、「1人でも労働者を雇った事業者」は必ず労災保険の加入手続きをしなければなりません。たとえ1日だけであったとしても、労災保険は強制加入となります。
 労災保険は雇用した日が加入日です。加入した労働者は、仕事中や通勤途中の事故で怪我をした場合に無料で治療を受けられます。
 労働災害が発生した時点で労災保険の加入手続きを怠っていた場合、「故意または重大な過失」であると認められると、労災保険給付に要した費用の100%、または40%が徴収されることになるため注意が必要です。
 なお、31日以上の雇用見込みがあり労働時間が週20時間を超える場合は、労働者を雇用保険に加入させる義務も生じます。この雇用保険と労災保険をまとめて「労働保険」と呼びます。

アルバイトや日雇いも労災保険の加入対象である

 労災保険の加入対象には、正社員・派遣労働者・パート・アルバイト・日雇いなど、雇用形態に関わらずすべての労働者が該当します。不法滞在している外国人労働者が業務中に怪我や病気をした場合も、労災保険が適用されます。
 請負として働く一人親方など個人事業主は対象外となりますが、特別加入制度を利用すれば労災保険の給付を受けることが可能です。

アルバイトや日雇いにも適用される給付内容とは?

 アルバイトや日雇い労働者は、労働災害が発生した場合に以下の給付を受けられます。

  • 療養補償給付
    労働災害による怪我や病気を療養するために必要な費用の給付
  • 休業補償給付
    労働災害による怪我や病気で仕事ができない期間の賃金を補償するために支給される給付
  • 障害補償給付
    労働災害による怪我や病気が完治せずに後遺症が残った場合に支給される一時金や年金
  • 遺族補償給付
    労働災害により労働者が亡くなった場合に遺族に支給される一時金や年金
  • 葬祭給付
    労働災害により死亡した労働者の葬祭にかかった費用の給付
  • 傷病補償年金
    労働災害による怪我や病気が1年6ヵ月経過しても完治しない場合に支給される給付
  • 介護補償給付
    労働災害による怪我や病気で介護が必要な方に支給される給付

なお仕事中の事故に加えて、通勤途中に発生した「通勤災害」も労働災害とみなされます。

労災保険の適用外となるケース

 労働災害と認められた場合は労災保険の給付を受けられますが、労災保険の適用外となるケースもあるため要注意です。
 例えば休憩時間や昼休みなどに起こった災害は適用外となる場合があります。私用で外出中に事故に遭ったり、社員同士の個人的なトラブルで喧嘩をしたりした場合もそうです。
 また通勤中の事故については、会社帰りにスーパーに寄った程度の場合は通勤災害と認められますが、退社後に飲みに行くなど「通勤の逸脱・中断」とみなされると適用外になるケースがあります。
 労働災害の認定を行うのは「労働基準監督署」ですから、わからない場合は申請書を提出して判断してもらうようにしましょう。

アルバイトや日雇いの労災保険適用に関する間違った情報

 アルバイトや日雇いでも労災保険が適用されることがご理解いただけたと思いますが、それでも間違った情報ゆえに労災保険を使うか迷ってしまう方は少なくないでしょう。
 そこでここからはアルバイトや日雇いの労災保険適用に関する、「よくある間違った情報」をまとめます。対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

勤務先が労災事故と認めてくれない

 仕事中や通勤途中に怪我をした場合でも、勤務先が労災事故と認めてくれないケースがあります。事業所の種類や規模にもよりますが、「労災保険料のメリット制」の対象となる場合は労災発生率が保険料値上げに繋がるため、労災だと認めたくないのかもしれません。
 また、刑事上の責任・行政処分・企業イメージの下落などを恐れているのかもしれません。しかし勤務先が認めない場合でも、労働者やその家族が「労災申請書類」を書いて、「事業主証明欄」は白紙のまま労働基準監督署に提出することは可能です。
 提出する際には窓口で、事業主から証明欄の記入を拒否された旨を伝えてください。そもそも労働災害の判断を行うのは、勤務先や労働者本人ではなく労働基準監督署長です。

勤務先に健康保険を使うよう言われた

 勤務先に「健康保険を使う」よう言われる場合もあるかもしれません。
 「治療費は会社が負担するから」と言われるような場合は、「労災かくし」が疑われます。前述のように、労災発生率が保険料の増減に影響を与えることや、企業イメージの下落を恐れているのかもしれません。
 しかし「労災かくし」は犯罪で、発覚すると厳重な刑罰やさらなる企業イメージの下落に繋がります。そもそも労働災害の場合、健康保険を使うことはできません。
 健康保険が使えないことを勤務先に伝えて、労災保険の申請を進めるようにしましょう。もし間違って健康保険を使ってしまった場合は、受診した病院で労災保険に切り替えてもらうか、一旦費用を自己負担してから労災保険の申請手続きを行えます。

勤務先が手続きをしていないため労災保険は使えない

 「従業員が少ないから労災保険には加入していない」と事業者に言われて、「労災保険は使えない」と勘違いするケースもあるかもしれません。しかし事業所は1人でも労働者を雇ったなら労災保険の加入手続きをする義務があり、雇用した日が労災保険の加入日となります。
 この場合も、被災労働者やその家族が労災保険の申請書類を準備して、労働基準監督署に直接申請できます。

自分にも過失があるので労災保険の適用外だ

 「労働災害が発生したのは自分にも過失がある」と考えて、「労災保険は使えない」と判断する方もいるようです。しかし労災保険には労働者を保護する目的があり、労働者自身に過失があった場合でも労災保険は満額給付されます。

アルバイトや日雇いが労災保険を申請する手順

 実際に労働災害が発生した場合、アルバイトや日雇いの労働者はどういった手順で労災保険を申請すればよいのでしょうか。ここからは、労働災害による怪我で治療を必要とする場合の手順を解説します。

病院で治療を受ける

 仕事中や通勤途中の災害で怪我をした場合、速やかに勤務先に報告し、病院に行って治療を受けましょう。
 病院は、できるだけ「労災保険指定病院」を選んでください。労災であることを伝えると、無料で診察・治療を受けられるからです。勤務先への報告の際に、最寄りの労災保険指定病院の場所を教えてもらうとよいでしょう。
 近所に労災保険指定病院がない場合は、最寄りの病院で治療を受けます。費用の全額を一旦自己負担することになりますが、労災保険の申請をして後日支給を受けられます。

労災保険の申請書を用意する

 治療後に労災保険の申請書を用意します。
 必要な書類は厚生労働省の公式サイトからダウンロード可能です。必要事項を記入してから、勤務先に「事業主証明欄」に捺印してもらいます。
 登録制の日雇いアルバイトの場合は派遣元にも報告しますが、原則的に「事業主証明欄」は派遣先の会社にお願いします。

労災保険の申請書を提出する

 労災保険の申請書は、労災保険指定病院に受診している場合は病院に提出します。その後、病院側が労働基準監督署に提出してくれます。
 労災保険指定病院以外で受診している場合は、労働基準監督署に直接提出しなければなりません。審査により労働災害と認定されると、自己負担していた費用が支払われます。
 要件を満たす場合は通院にかかった交通費も支給されるため、各種領収書はきちんと保管して提出書類に添付するようにしましょう。

【注意】一人親方は労災保険の対象外

 労働者の保護を目的とする労災保険ですが、請負で仕事をする一人親方は対象外です。一人親方が労災保険を使うにはどうしたらよいのか、アルバイトを雇う際の注意点も含めて解説します。

一人親方労災保険の特別加入制度を利用する

 労災保険の対象外である一人親方は、「特別加入制度」を利用することで労災保険の給付を受けられます。任意ではありますが、万一の事故の場合に医療費の負担が大きくなるため、加入しておくと安心です。
 最近では一人親方労災保険に加入しているか確認する元請会社も増えており、仕事の受注にも影響すると考えられます。
 「一人親方団体労災センター」では、給付基礎日額に応じた労災保険料と月々500円の組合費のみで加入可能です。次年度以降の更新費用については割引キャンペーンもあるため、ぜひご検討ください。

一人親方がアルバイトを雇う際の注意点

 一人親方が繁忙期に日雇いアルバイトを雇うこともあるでしょう。アルバイトの雇用に関しては、雇用日数に注意が必要です。年間100日を超える場合は、一人親方に該当しなくなるからです。
 年間100日以上のアルバイトの雇用がある場合は、従業員を使用する中小事業者となります。この場合、労災保険の特別加入は一人親方団体ではなく労働保険事務組合を通じて加入する必要があります。具体的には個人として加入していた一人親方団体は脱退し、労働保険事務組合に会社組織として加入をし、そのうえで代表者や役員が労災保険に特別加入の手続きをします。

まとめ

 本記事では、アルバイトや日雇いでも労災保険が適用されることを解説しました。同僚や事業者の間違った情報により、「労災保険が使えない」と勘違いする方は少なくありません。
 しかし、労災保険は労働者を保護するための国の制度です。労働災害が発生した場合は、正しい情報をもとにしっかりと労災保険を活用しましょう。

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