一人親方労災保険の「労災センター通信」

【失敗しない!】電気工事で独立するために押さえたい7つのポイント

 電気工事の経験を積むことで、自由な働き方ができ、かつ仕事をすればするほど収入が上がる「独立」を検討する方もいらっしゃるでしょう。独立には多くのメリットがありますが、失敗するケースもあるため注意が必要です。
 本記事では、電気工事で独立して失敗しないポイントを、独立前と独立後に分けてわかりやすく解説します。独立後の働き方は会社員時代と比較して大きく変わるため、しっかりと準備して計画を立てましょう。
一人親方としての独立のポイント

電気工事で独立して失敗しない7つのポイント

 電気工事で独立して失敗を防ぐには、独立前の準備と独立後の働き方に注意が必要です。
 ここでは、独立前の準備で大切な4つのポイントと、独立後の働き方で大切な3つのポイントを解説します。各ポイントをしっかりと押さえて、独立後の理想的な生活を手に入れましょう。

【独立前】失敗を防ぐ4つのポイント

 電気工事で失敗しないために、独立前にするべき準備は以下の4つです。

  • スキル・経験を積む
  • 資格を取得する
  • 人脈作りに励む
     十分な資金を用意する

 各ポイントを詳しく解説します。

スキル・経験を積む

 独立の前提として、電気工事のスキル・経験は必須事項です。
 独立後は自分で営業して仕事を取ることになりますが、そもそも電気工事のスキル・経験がなければ案件の獲得は難しいでしょう。また、仕事のクオリティやスピード、顧客満足度なども案件獲得に大きな影響を与えます。独立で失敗しないために、一つひとつの仕事を確実にこなせるだけのスキル・経験を身に付けるのは重要です。
 スキル・経験を積むために、電気工事会社に就職するとよいでしょう。「未経験可」でもスタートできる会社は比較的多く、見習いとして経験を積むことが可能です。はじめは雑務をこなしつつ、配線を抜いたり指定場所に運んだりする仕事などが与えられるでしょう。
 電気工事で一人前になるには、2~3年ほど必要だといわれています。その間に、できるだけ幅広い作業を経験できるとよいでしょう。電気工事の作業内容は幅広く、コンセント・スイッチ・アンテナ・エアコンの取り付けや、インターネット・防犯カメラの設置などさまざまな作業があります。独立してからの安定した案件獲得を意識しながら、さまざまな作業に慣れておくようにしましょう。

資格を取得する

 独立前の準備として、資格を取得することも挙げられます。
 電気工事で独立するには、各都道府県に対して電気工事業登録が必要で、登録には事業所ごとに主任電気工事士を配置するよう定められています。そして、主任電気工事士になるには、以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士(3年以上の実務経験が必要)

 以上を踏まえて、独立前の準備として最低でも第二種電気工事士の資格取得を目指しましょう。見習い期間中に資格取得を目指すか、職業訓練校に通って資格を取得する方法があります。
 独立前の準備期間中に第一種電気工事士の資格を取得できればよいですが、そうでない場合は認定電気工事従事者の資格を取得しましょう。認定電気工事従事者の資格を取得することで、第二種電気工事士では工事できない簡易工事に携われるようになり、独立後の業務の幅が広がります。
 認定電気工事従事者の資格は、第二種電気工事士の資格取得者で3年以上の実務経験があれば申請のみ、3年未満の場合は講習を受けることで取得可能です。

人脈作りに励む

 電気工事で独立して失敗しないために、独立前に人脈作りに励むことも大切です。
 独立直後は、独立前に働いていた会社や、知り合いになった電気工事会社の社長などから仕事をもらうのが一般的です。そのためには、人脈作りに励んで普段からよい関係を築いておく必要があります。
 仕事先で会う社長や職人たちとはできる限り交流をして、名刺交換をしておくようにしましょう。集めておいた連絡先は、独立後の営業で役立つでしょう。また、自身の連絡先を残しておくことで、繁忙期などに声をかけてもらえる可能性が高くなります。
 人脈作りと同時に、電気工事士としてよい評判を築いておくことも重要です。「仕事が丁寧でスピードが速い」「責任感が強い」として知られているなら、独立後も安心して仕事を任せてもらえるでしょう。また、「物腰が柔らかい」「コミュニケーションが取りやすい」など、人間性を買われて仕事をもらいやすくなることも考えられます。

十分な資金を用意する

 電気工事で独立して失敗しないために、独立前に十分な資金を用意しておくことも大切です。
 独立資金の主な内訳は、以下のとおりです。

  • 事務所
     独立して事務所を構える場合は、物件を借りるにあたり敷金・礼金・当月分の家賃などが発生します。一人親方として独立するケースでは自宅を事務所にできますが、従業員を雇用するなら事務所が必要になるでしょう。
  • 道具と保管場
     工事内容によりますが、脚立・電動工具・掃除機など大小さまざまな道具を準備します。ケーブルや配管を保管する場所も必要になるため、自宅や事務所に十分のスペースがない場合は、倉庫やコンテナハウスを借りる必要が生じるでしょう。また、移動や道具を運ぶ車両も必要です。
  • 当面の生活費・従業員の給料
     独立後すぐに十分な仕事量が得られる保証はありません。また、仕事を受注してから入金までに2~3か月ほどかかると考えられます。利益が出ていても手元にお金が入るまでに時間がかかるため、当面の生活費と従業員の給料分が不足しないよう資金に余裕を持たせることは重要です。

【独立後】失敗を防ぐ3つのポイント

 電気工事で独立して失敗しないために、独立後の働き方で注意するべきポイントとして以下の3つが挙げられます。

  • 営業を欠かさない
  • 資金繰りに注意を払う
  • 労災保険に加入する

 ここでは、各ポイントを詳しく解説します。

営業を欠かさない

 電気工事で独立して失敗しないために、独立後は営業を欠かさないことが大切です。
 前述のとおり、はじめのうちは独立前の人脈を活用して仕事を獲得できるでしょう。しかし、いつまでも安定した仕事量が得られる保証はありません。そこで、1つの現場が終わる前に次の案件を獲得できるよう、請負先の新規開拓をする必要があります。
 営業方法としては、需要のありそうな現場へ足を運んだり、電話をしたりして積極的に行動しましょう。また、インターネットが普及している昨今、ホームページの作成やSNSの活用も効果的な営業方法です。電話番号・メールアドレスなど連絡先を明記したり、問い合わせフォームを設置したりして、仕事のオファーを受けられる体制を整えます。
 また、ホームページやSNSは、従業員を募集する際にも便利であるため、こまめに更新して魅力のあるページを作成するとよいでしょう。

資金繰りに注意を払う

 電気工事で独立して失敗しないために、独立後は資金繰りに注意を払う必要があります。
 会社員の場合、毎月決まった日に給料がもらえました。しかし、独立してからは請負先によって入金日が異なるため注意が必要です。
 前述のとおり、建設業では請求書を提出してから入金までに2~3か月かかるケースがあります。工事で必要な消耗品の購入、従業員の給料、税金の支払いなどと入金のタイミングには細心の注意を払いましょう。利益が出ているとしても、支払いのタイミングで手元に現金が残っていないと、黒字倒産してしまう場合があります。
 また、会社のお金と自分のお金を区別できず、会社の利益として残しておくべきお金を使いこんでしまうケースもあるようです。会社を運営する資金が足りなくなってしまうため、お金の管理に注意が必要です。

労災保険に加入する

 独立後の失敗を避けるために、労災保険に加入することも忘れてはなりません。
 労災保険は、仕事中や通勤中の災害でケガや病気をした際に、必要な療養や休業中の補償などが受けられる国の保険制度です。会社員のときは会社が保険料を負担して加入していましたが、独立してからは任意で加入できる一人親方労災保険を活用することになります。また従業員を雇用する場合、事業主には従業員を労災保険に加入させる義務が生じます。
 なお、労災保険に未加入の状態で仕事中や通勤中に災害にあうと、療養費を全額自己負担することになるため注意が必要です。また、療養で休業する場合もその期間中の補償はなく、生活が困難になることも考えられます。
 一人親方労災保険についてのご質問やご相談は、「一人親方団体労災センター」まで、お気軽にお問い合わせください。

電気工事の独立における成功例と失敗例

一人親方の独立の成功例
 電気工事で独立してからは、会社員のときと比較して生活や働き方に大きな変化が生じます。
 独立することで、以下のようなメリットが得られれば成功例といえるでしょう。

  • 高単価の案件を獲得でき収入が大幅に上がった
  • 仕事量の調整や休みが取りやすくなって自由に働けるようになった
  •     

  • 仲のよい一人親方仲間と一緒に案件を受注して楽しく働けている

 ただし、独立後に以下のような失敗をする方もいるため気を付けましょう。

  • 営業がうまくいかず今月も仕事がない
  • 繁忙期にエアコンの取り付けだけを行っていたら、閑散期に仕事がなくなった
  • 取引先から緊急の連絡が入ったものの、寝ていたために対応できず信頼を失った
  • 営業や事務仕事に追われて理想とは程遠い生活を送っている

 独立には大きなメリットがあるものの、失敗例もあるため、独立前はしっかりと準備をし、独立後も働き方に細心の注意を払いましょう。

まとめ

 電気工事で独立して失敗しないために、独立前と独立後に気を付けるべき以下の7つのポイントをご紹介しました。
【独立前】

  • スキル・経験を積む
  • 資格を取得する
  • 人脈作りに励む
  • 十分な資金を用意する

【独立後】

  • 営業を欠かさない
  • 資金繰りに注意を払う
  • 労災保険に加入する

 電気工事で独立して、理想の生活・働き方を手に入れるため、上記の7つのポイントをしっかりと押さえて準備しましょう!

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