一人親方労災保険の「労災センター通信」

施工管理で独立するには?フリーランスの働き方・メリット・注意点をご紹介

 建設現場に欠かせない施工管理の仕事。人材不足が問題となっている近年、独立してフリーランスで働く施工管理を採用するケースも増えています。自身の経験を活かして独立したいものの、施工管理の仕事は幅広く、フリーランスで働く際のイメージがイマイチ湧かない方も。
 そこで本記事では、施工管理で独立する場合の働き方・メリット・注意点を解説します。施工管理で独立するために必要な資格や、失敗を避けるための情報も含まれていますので、ぜひ最後までお読みください。
施行管理の一人親方

施工管理で独立するために必要な情報を確認しよう

 さまざまな職種の職人が出入りする建設現場において、管理業務を行う施工管理は欠かすことができません。施工管理の業務は多岐に渡り、負担のかかる仕事であるとともに人手不足の問題もあり、近年ではフリーランスの人材を採用するケースが増えています。
 なかには自身の経験を活かして「施工管理で独立してみたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。ここでは、独立を検討するにあたり、施工管理についての必要な情報をまとめます。

施工管理と現場監督の違い

 結論からいいますと、施工管理と現場監督はほぼ同じで、両者とも工事現場の監督業務に携わります。敢えて違いを挙げるとすると、現場監督は現場に常駐して「司令塔」のような役割を果たすのに対して、施工管理は書類作成などの業務も行う現場の「責任者」としての色が強いと言えます。
 いずれにしても、工期のスケジュール管理・資材の発注・現場の安全確保・人員調整など、業務は多岐に渡るのが特徴です。工期・原価・品質・安全の4大管理に加えて、現場内の巡回や作業員への指導、事務作業なども行います。
 人材確保が難しい中小企業などでは、施工管理と現場監督を分けずに、同じ立場で採用するケースも珍しくありません。

独立に必要な資格

 施工管理で独立してフリーランスで働く場合、自身のスキルを証明するために最低でも2級以上の施工管理技士の国家資格を取得しておくとよいでしょう。事業を拡大して法人化する場合は、施工管理技士が最低2名、1級施工管理技士は1人必要になります。
 施工管理士には、施工管理の対象に応じて以下の7種類があります。

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 建設機械施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士

 2級施工管理技士は主任技術者として、外注総額税込4,000万円未満で特別建設許可を必要としない工事で配置されます。外注総額税込4,000万円以上(建築一式の場合は6,000万円以上)で特別建設業許可が必要な工事では、1級施工管理技士を監理技術者として配置しなければなりません。

フリーランスの施工管理の働き方

 施工管理で独立するスタイルとして、フリーランスと法人化が挙げられます。まずフリーランスで独立して、事業の拡大に合わせて法人化するのが一般的な流れです。
 フリーランスの施工管理の働き方には、以下のようなものがあります。

  • フリーの現場監督
     建設会社と期間契約を締結して、フリーランスの現場監督として働きます。スキルや実績に応じて条件面での交渉ができ、高収入を得ることも可能です。
  • 施工管理の特定の業務を請け負う
     施工図の作成・積算・墨出しなど、施工管理の特定の業務を専門に請け負う働き方です。幅広い施工管理の業務から得意分野を選択することで、ストレスを軽減させられると期待できます。
  • 職種にこだわらずスキルを活かしてさまざまな業務を請け負う
     施工管理技士のスキルや経験を活かして、現場以外の場所でも仕事を行えます。たとえば建築系の専門学校で講師をしたり、労働安全衛生コンサルタントの資格を取得して社外コンサルタントになったりすることも可能です。

施工管理で独立するメリット

一人親方独立のメリット
 施工管理で独立するメリットは、大きく以下の3つです。

  • 年収アップの可能性が広がる
  • ワークライフバランスを向上させられる
  • 社内の面倒な人間関係から解放される

 ここでは、それぞれのメリットを解説します。

年収アップの可能性が広がる

 施工管理で独立する1つ目のメリットは、年収アップの可能性が広がることです。
 建設会社に勤務する場合、1級施工管理技士の平均年収は500万円前後、2級施工管理技士は400万円前後だと言われています。フリーランスの施工管理で働く場合は、現場の規模・種類や仕事量に応じて年収には個人差があり、プロジェクトによって300万~3,000万円と幅広いのが特徴です。
 たとえば規模の大きい現場と契約して、年収が1,000万円を超えるケースもあり、会社員のときと比較して大幅な年収アップが狙えるでしょう。取引先と受注金額を交渉したり複数の取引先を開拓したりするなど、アイディア次第で年収アップが狙えるのは施工管理で独立する大きなメリットです。

ワークライフバランスを向上させられる

 施工管理で独立する2つ目のメリットは、ワークライフバランスを向上させられることです。
 建設会社に勤務する施工管理士は、会社が請け負う仕事を任されるため、難しい現場もどうにかこなさなければなりません。施工管理の業務は多岐に渡るため、残業が多くプライベートの時間が確保できないケースが多いと言われています。これは、施工管理の仕事を辞めたい理由の上位にランキングする、慢性的な問題でもあります。
 独立してフリーランスで働く施工管理の場合、プロジェクトごとに契約することが多く、仕事量を自分で調整することが可能です。プロジェクト終了後に長期休暇を取るなどプライベートを充実させることもでき、趣味や家族との時間を増やしたい方にとって大きなメリットです。

社内の面倒な人間関係から解放される

 施工管理で独立する3つ目のメリットは、社内の面倒な人間関係から解放されることです。
 建設会社に勤める場合、上司や同僚を自分で選ぶことはできず、苦手なタイプと一緒になるとどちらかが会社を辞めるまで付き合うことになります。社内の人間関係は、建設業だけでなくあらゆる業界で転職理由の上位にランキングするほど大きな問題です。
 独立してフリーランスで働く場合、プロジェクトごとに人間関係がリセットされるため、人間関係に起因するストレスから解放されると期待できます。

施工管理で独立する際の注意点

一人親方として独立の注意点
 施工管理で独立する際は、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

  • 軌道に乗るまで収入は不安定になる
  • 営業力や交渉力が必要になる
  • 主任技術者・監理技術者にはなれない
  • 事務手続きなど雑務も行わなければならない

 ここでは、それぞれの注意点と対策をまとめます。

軌道に乗るまで収入は不安定になる

 施工管理で独立しても、軌道に乗るまで収入は不安定になるため注意が必要です。
 当然のことですが、仕事を獲得できなければ収入は得られません。とくに独立直後は仕事量の調整が難しく、軌道に乗るまでは会社員時代よりも年収が下がるリスクもあります。
 安定した収入につながる仕事量が確保できるまでは、無駄遣いを避けて上手に家計をやりくりするなど工夫が必要になるでしょう。また、独立後の数ヶ月分の生活費を貯金しておくなら安心です。家族のいる方は、経済的に不安定になる時期もあることを話し合い、事前に理解を得ておくようにしましょう。

営業力や交渉力が必要になる

 施工管理で独立する際の注意点として、営業力や交渉力が必要になることも挙げられます。
 会社に勤めている間は、仕事の獲得は営業スタッフに任せられました。しかし独立してからは、自分で仕事の獲得も行わなければならず、営業力や交渉力が求められます。
 営業に関しては、独立前から人脈づくりに励むことが重要です。独立したての時期は、知り合いから仕事をもらうことが多いと考えられます。そこで、建設会社でスキルと経験を積んでいる間に、同業者や取引先とよい関係を築けるよう、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。

主任技術者・監理技術者になれない

 施工管理で独立する際は、主任技術者・監理技術者になれないことにも注意が必要です。
 主任技術者・監理技術者になるには、企業に直接雇用されている必要があります。フリーランスの場合、スキルや経験にかかわらずプロジェクトのスポット的な案件ばかりを受注することになり、期待しているような働き方ができない可能性があります。
 「公共工事や大規模なプロジェクトで責任のあるポジションに就きたい」と考えている方は、大手建設会社でキャリアを築く方がよいかもしれません。

事務手続きなど雑務も行わなければならない

 施工管理で独立する際の注意点に、事務手続きなど雑務も行わなければならないことが挙げられます。
 会社員のときは事務スタッフが事務手続きを行っていましたが、独立後ははじめて気づくような業務も自分で行わなければなりません。これには、契約書などの書類作成・税金の支払い・確定申告などが含まれます。
 雑務が増えるだけでなく、事務仕事が苦手な方は作業に時間がかかるため、休みが取れなくなるケースもあるでしょう。雑務がストレスになる場合は、アウトソーシングを活用したり家族に手伝ってもらったりするなどして対処する方法もあります。

施工管理で独立する場合は労災保険も要注意!

 独立してフリーランスで働く場合、労災保険の対象外になるため注意が必要です。労災保険は会社に雇われる「労働者」を対象とする国の制度で、個人事業主や会社の役員などには適用されません。
 しかし労働者以外の方でも、任意の特別加入制度を活用することで、労働者に準じて労災保険の手厚い補償が受けられるようになります。たとえば建設業の一人親方は、特別加入団体をとおして一人親方労災保険に特別加入できます。
 「一人親方団体労災センター 」は労働局承認の特別加入団体で、労災への加入費用は給付基礎日額に応じた労災保険料と月々500円の組合費のみです。急ぎの方でも最短翌日から加入でき、加入証明書は即日発行も可能です。一人親方労災保険に関するお悩みは、当センターまでお気軽にご相談ください!

まとめ

 施工管理で独立する場合の働き方・メリット・注意点をまとめました。
 施工管理の業務は多岐に渡りますが、フリーの現場監督や施工管理の特定の業務を専門に請け負うなど、フリーランスとしての働き方も可能です。施工管理で独立するメリットは、以下の3つです。

  • 年収アップの可能性が広がる
  • ワークライフバランスを向上させられる
  • 社内の面倒な人間関係から解放される

 ただし独立後は自分で営業を行わなければならず、必ずしも年収がアップするわけではないため注意が必要です。デメリットも考慮したうえで、独立を検討しましょう。
また、フリーランスで働く場合は労災保険の対象外となるため、万が一のケガや病気に備えて一人親方労災保険に特別加入しておくと安心です。

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