一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方労災保険の補償内容は?特別加入の流れもご紹介!

 一人親方労災保険への特別加入を検討されるにあたって、どのような補償を受けられるのか気になっている方も多いと思います。
 一人親方は特別加入制度を利用することで労災保険に加入でき、一般の労働者と同じように、万が一のときは手厚い補償を受けることが可能です。
 具体的にいつ、どのような補償が受けられるのかを確認しておき、安心して加入するとよいでしょう。
 本記事では、一人親方が労災保険に特別加入する方法や団体選びのポイントについてもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
労災保険の補償内容

一人親方労災保険の補償内容は?

 労災保険は会社などに雇われて賃金をもらっている労働者が加入対象となるため、一人親方は対象外です。
 しかし、労災事故に遭うリスクを抱えているのは一般的な労働者と同様であり、一人親方も同じように保護されるべきという考えのもとで、特別加入制度を利用することで任意で労災保険に加入できるようになっています。
 労災保険に特別加入した場合に受けられる補償にはどのようなものがあるのか、支給条件や支給金額・支給期間などの詳細も含めてご紹介します。

療養補償

 療養補償とは、業務中もしくは通勤中のケガや病気で医療機関にかかる際の費用が給付されるものです。

補償範囲

 療養補償の範囲には、以下のようなものが含まれます。

  • 診察代
  • 処置代や治療代
  • 手術代
  • 薬代
  • 居宅における療養上の管理・世話・看護にかかる費用
  • 入院における療養上の管理・世話・看護にかかる費用
  • 移送にかかる費用

 「移送にかかる費用」とは通勤にかかる交通費などのことです。一定の条件を満たせば、公共交通機関やタクシーを利用した場合にかかる費用のほか、自家用車を使った場合も1km当たり37円として算出した費用が支給されます。

支給期間

 療養補償が受けられるのは、ケガや病気が「治癒した」と診断されるまでです。
 複数回にわたって医療機関に通ったり入院したりする必要がある場合、その期間にかかる費用が補償されます。
 ここでいう「治癒」とは、身体の状態が健康時と同じにまで回復したことを指すのではありません。症状固定の状態、つまり「これ以上治療を行っても効果が期待できない」状態を指します。
 「症状固定の状態である」と医師が判断した時点で、療養補償の給付は終了となります。

支給方法

 療養補償が支給される方法は、医療機関が労災指定であるかどうかによって変わります。
 労災指定の医療機関にかかった場合は、窓口で費用を支払う必要のない「現物支給」という形での支給となります。労災指定ではない医療機関にかかった場合は、いったん窓口で全額を支払わなければなりません。後日、請求して現金支給されるという流れになります。
 緊急でやむを得ない場合を除き、なるべく労災指定の医療機関にかかったほうがよいでしょう。

休業補償

一人親方労災保険休業補償
 業務中や通勤中のケガや病気が原因で仕事を休まなければならなくなった場合は、休業補償を受けられる可能性があります。

支給条件

 休業補償を受けられるのは、休業が4日以上に及ぶ場合です。休業3日目までは給付の対象にならないため、注意してください。
 また、ケガや病気により入院している場合や、自宅で療養している場合、通院して治療を受けている場合など「全部労働不能」の状態であると医師から診断されていることも支給条件になります。
 ケガや病気が発生した日からではなく、最初に休業した日から4日目が給付対象期間の始まりです。

支給金額

 休業補償では「休業補償給付」と「休業特別支給金」の2種類が給付されます。休業補償給付は給付基礎日額の6割分、休業特別支給金は2割分なので、合計8割分の支給です。
 給付基礎日額とは労災保険料を算定する際の基礎となるもののことをいいます。一般的な労働者は給与を基に保険料を算定しますが、決まった給与がない一人親方は3,500~25,000円の間で設定されている16段階の給付基礎日額から、加入時に選ぶ必要があります。

支給期間

 休業補償の基本的な支給期間は、ケガや病気が「治癒した」または「これ以上治療しても効果が期待できない」と診断されるまでです。
 療養を開始してから1年6ヶ月が経過しても治癒せず障害等級第1級〜第3級に該当する場合は傷病年金に切り替わり、けがや病気が治癒するまで支給されます。

障害補償

 業務中もしくは通勤中のケガや病気により後遺症が残った場合は、障害補償が支給されます。
 治癒(症状固定)後に支給されるものなので、療養補償や休業補償を受けている場合は同時に受けることはできません。

支給金額

 障害補償は年金または一時金として支給されます。
 障害等級第1級~7級までは年金として、第8級~14級までは一時金として支給されます。そのため、申請書類の提出後に障害等級を決める審査を受ける必要があり、場合によっては支給の決定まで半年から1年ほどかかることもあるようです。
 「第1級は給付基礎日額の313日分」「第2級は277日分」というように、支給金額は給付基礎日額に応じて決まります。

支給期間

 一時金の場合は一度きりの支給となりますが、年金の場合は障害が残っている限り支給されます。
 年金として障害補償を受けている人は、定期的に労働基準監督署へ障害の状態を報告しなければなりません。認定条件を満たしている場合は、一生涯保障を受けることが可能です。

遺族補償

 一人親方が労災事故などにより死亡した場合は、遺族に対して遺族補償が支給されます。

該当する遺族の条件

 遺族補償の受給者に該当する遺族の条件には、以下のようなものがあります。

  • 妻:要件なし
  • 夫・父母・祖父母:55歳以上又は障害の状態にある者
  • 子・孫:18歳の年度末までの間、または一定の障害の状態にある者
  • 兄弟姉妹:18歳の年度末までの間、もしくは55歳以上、または障害の状態にある者

支給方法と支給金額

 遺族補償は、年金または一時金として支給されます。
 年金の支給対象となるのは、上記でご紹介した遺族のうち、最先順位者「受給権者」です。支給される金額は遺族の人数と給付基礎日額に応じて決まります。
 年金を受給する遺族がいない場合は、給付基礎日額の1,000日分が一時金として支給されます。
 年金の受給資格者が全員その権利を失い、すでに年金や一時金の一部が支払われている場合は、給付基礎日額の1,000日分に満たない分の額が支給されることになるでしょう。

葬祭料

 一人親方が死亡した場合は、労災保険で葬祭料も支給されます。

支給対象

 葬祭料の支給対象となるのは、葬祭を執り行う方です。
 葬祭を執り行う遺族がおらず、会社や友人が執り行う場合は、会社や友人に対して支給されます。

支給金額

 葬祭料は「給付基礎日額の30日分に315,000円を加えた金額」か「給付基礎日額の60日分」のうち、いずれか高いほうとなります。
 請求時には死亡診断書や死体検案書の写しなど、死亡の事実や死亡した年月日を証明できる書類の提出が必要になるため、確認しておくとよいでしょう。

介護補償

 一人親方が業務中または通勤中のケガや病気により介護が必要な状態となったときは、介護補償が受けられる場合もあります。

支給条件

 介護補償は「常時、または随時介護が必要な状態に該当すること」のほかに、以下が支給条件です。

  • 現に介護を受けていること
  • 病院や診療所に入院していないこと
  • 介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに入所していないこと など

 病院や診療所に入院していたり、施設に入所していたりする場合は、十分な介護が提供されていると考えられるため、対象外となります。

支給金額

 介護補償の支給金額は、介護が常時必要な状態か、随時必要な状態かによって異なります。
 それぞれ下限額と上限額が設定されており、その範囲内で実際に介護に要した費用が支給されます。上限額を超えた部分については自己負担となりますが、費用がかかっていなくても下限額分は支給される仕組みです。

一人親方が労災保険に特別加入するには?

一人親方労災保険の加入方法
 受けられる補償内容を踏まえたうえで、一人親方が労災保険に特別加入する際の流れを確認しておきましょう。

特別加入団体を探す

 一人親方が労災保険に加入するには、特別加入団体を経由する必要があります。
 そのため、まずは自分が住んでいるエリアを対象としている特別加入団体の中から、自分が希望する条件に合ったところを探すところから始めましょう。
 特別加入団体にはそれぞれ特徴がありますが、特に費用や加入までにかかる時間などは重要なポイントになるため、慎重に比較することをおすすめします。
 中には、加入証明書を即日発行してくれる団体もあります。「急な現場に要請があり、急いで労災保険に加入したい」というときも安心なので、チェックしてみるとよいでしょう。

加入手続きをする

 特別加入団体を決めたら、加入申し込み手続きを行います。手続きの方法は団体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
 一般的には、団体のホームページから加入申込書をダウンロードして郵送やFAXで送付するか、インターネットで申し込む方法が多くなっています。手続き方法を選択できる団体もあるため、自分が利用しやすいところを選んでください。
 手続きの際は身分証明書の写しと、場合によっては所得証明書が必要になるため、事前に調べておくとよいでしょう。加入に必要な費用の支払いが済んだら申し込み完了となり、会員証を受け取ることができます。

まとめ

 一人親方が労災保険に特別加入した場合、一般的な労働者と同じようにさまざまな補償を受けられるようになります。
 医療機関での治療を無料で受けられる療養補償や、仕事を休んでいる間に支給される休業補償をはじめ、障害補償や遺族補償・葬祭料・介護補償なども受けられる可能性があるため、事前に詳しく確認しておくとよいでしょう。
 本記事では、一人親方が労災保険へ特別加入する際の流れや、特別加入団体の選び方などについてもご紹介しています。
 一人親方として活動されていて労災保険への加入を検討されている方は、一人親方団体労災センターをぜひチェックしてください。月500円の組合費と労災保険料(基礎給付日額)のみで加入でき、申込の最短翌日から加入が可能です。

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