一人親方労災保険の「労災センター通信」

一人親方が厚生年金に加入できない2つのリスクと4つの対策法!

個人事業主である一人親方は、厚生年金に加入できません。その結果、考えなくてはならないリスクと、対処すべき対策があります。
この記事では、日本の年金制度の概要を踏まえたうえで、厚生年金に入れない一人親方がどのような対策を取ることができるのか、「一人親方労災保険センター」が解説します。
「一人親方労災保険センター」とは、一人親方が個人で加入できる一人親方労災保険の運用を通じて、一人親方の生活保障のサポートをおこなっている団体です。老後の生活などに不安を感じている方は、この記事の内容を参考にしていただけたら幸いです。

一人親方は厚生年金に加入できない

最初に、一人親方が厚生年金に加入できない事実を踏まえて、年金制度の概要を解説します。年金制度の概要を知ることで、生活の保障などに関する基本的な考え方について、理解を深めていただけます。

年金制度は二階建ての仕組み

年金制度は、国民年金と厚生年金の二階建てで構成されています。それぞれの概要は、次の通りです。

  • 国民年金

職業や経歴に関わらず、20歳以上の日本国民全員が加入しなくてはならない、保険制度のことを指します。

  • 厚生年金/共済年金

厚生年金は企業に勤める会社員、共済年金は公務員が加入できる年金制度です。厚生年金や共済年金の保険料は、国民年金の保険料に加算して支払われます。

国民年金と厚生年金(共済年金)が二階建てになることで、65歳以降に受け取る保険料が充実しますが、一人親方は会社員ではないため厚生年金に加入できません。

国民年金の概要

国民年金は、20歳~60歳までの40年間(合計480時間)保険料を支払う義務があります。毎月の保険料は、16,000円程度です。40年間保険料を支払った場合、65歳以降に、年間80万円前後の年金を受け取ることができます。
(受け取れる年金額は、物価によって変動するため、前後する可能性があります)。
また、国民年金には付加年金もあります。付加年金とは、月間400円ほどの料金の支払いで、年間48,000円ほどの保険料を追加で受け取ることができます。さらに、本人が年金を受け取る前に死亡してしまったときには、遺族などが、遺族年金・寡婦年金・死亡一時金のいずれかを請求できます。

厚生年金の概要

厚生年金は、所得の額に比例して支払額が変動します(令和元年度では、所得の18.3%が保険料として設定されています)。保険料は労使折半(雇用者である企業と労働者が半分ずつ支払う仕組み)となっているため、厚生年金加入者は少ない負担額で多くの保険料を受け取ることができます。

一人親方が厚生年金に加入できない2つのリスク

会社員でも公務員でもない一人親方が、国の保険制度として加入できるのは、上述の通り国民年金のみです。この章では、厚生年金に加入できないことにより考えられるリスクについて、解説します。

老後の資金を貯めておかなくてはならない

厚生年金に加入できないことにより考えられるリスクは、老後の生活費です。厚生労働省の「平成 30 年平均の全国消費者物価指数」を踏まえた、平成31年度の厚生年金と国民年金の平均的な月の受給額は、以下の通りです。

  • 厚生年金・・・221,504円(夫が平均的な所得で40年間就業し妻が専業主婦だった場合の、夫婦2人分の基礎年金を含む)
  • 国民年金・・・65,008円(1人分の基礎年金)

上記のように、65歳以降に受給できる年金の額は、厚生年金の有無によっておおきな影響を受けます。国民年金のみで生計を立てるのは困難であるため、老後の生活費に関し、事前に計画を立てておく必要があります。

死亡時の一時金が不十分になる恐れがある

国民年金では、死亡時にも一時金が支払われます(支給額は国民年金の払込期間によって異なりますが、12~32万円程度です)ただし、満額支払われた場合であっても、死亡時に必要な資金が不足する可能性が高いでしょう。公益財団法人日本生命保険センターが公開しているデータでは、葬儀費用の総額(平均)は約184.4万円です。

  • 葬儀費用・・・119.2万円
  • 飲食費・・・31.4万円
  • 返礼品・・・33.8万円

十分な貯金がなく、死亡時における対策をしていない場合、葬儀費用の面で遺族に負担をかけてしまう可能性があります。

厚生年金に加入できない一人親方にできる4つの対策!

最後に、厚生年金に加入できないことを踏まえて、一人親方がデメリットを解消するためにできることを解説します。ここでご紹介するポイントを押さえ、不安やストレスを解消したうえで、仕事に打ち込めるようにしましょう。

個人確定拠出年金(iDeCo)の加入

個人型の確定拠出年金(イデコ)は、任意で加入できる年金保険制度のことで、その運営母体は国民年金基金です。一人親方の場合、イデコの掛け金は、月額5,000円以上68,000円以下の範囲内であれば、1,000円単位で任意に決定することができます。原則として60歳を迎えるまで資金を引き出すことはできませんが、掛け金を所得控除できることや受け取り金が非課税であることなど、メリットがあります。また、定期預金・保険商品・投資信託の中から3つ以上の投資先を加入者が自分自身で選択し、運用益に応じて将来受け取れる年金の金額が増減する保険制度です。
イデコと併せて、個人積み立ての選択肢としてよく検討されるのが、つみたてNISAです。つみたてNISAとは、年額の上限を40万円とする少額投資制度であり、イデコと同様、運用益が非課税であるメリットがあります。イデコとの相違点は、つみたてNISAはいつでも引き出せることと、60歳以上でも加入できることです(イデコは60歳未満でなければ加入できません)。従って目安としては、60歳以下の方は個人確定拠出年金を、60歳以上の方はつみたてNISAを活用することが、スタンダードな対策です。

長く仕事を続ける

心身が健康であれば、一人親方として1年でも長く仕事をするのも、老後の生活費対策になります。一人親方には定年退職がないため、仕事の受注さえあれば、いつまでも働いて収入を得ることができます。医療技術の進歩や衛生状態の向上に伴い、近年の日本では、長寿化・健康寿命の長期化の傾向がみられます。企業に雇用されていた方でも60代で仕事をする人は増えており、継続雇用制度や再雇用制度・シニア向け人材派遣サービスへの登録などを通じて、何らかの仕事についている方の割合が増えています。独立行政法人労働政策研究・研修機構の平成27年度のプレスリリースによると、定年後に職業についていない割合は、60~64歳で13.0%、65~69歳で18.4%のみです。定年後の再雇用は多くのケースで基本給が減少しますが、一人親方の場合にはそもそも定年がないため、年齢によって収入が大きく下がることはありません。

民間の保険商品に加入する

民間の保険商品に加入することで、老後の保障に備える方法もあります。保険商品にはさまざまな商品がありますが、年金制度に最も性質が似ているのは、終身タイプの生存保険です。
生存保険とは、契約者が満期まで生存していた場合に、保険が支払われる契約形態です。例えば、支払期間を60歳まで、保険金の受取期間を「65歳以降終身」と設定すれば、ちょうど年金制度のような保険契約になります。また、死亡時の必要資金や遺族の生活の安全を考慮する場合に加入する死亡保険、自身の介護が必要になった際に現金の給付が得られる介護保険など、他の保険商品と組み合わせることで保障を厚くできます。掛け金との兼ね合いもありますが、民間の保険商品はさまざまな商品があるため、無理なく月々の支払いができることと将来の生活設計とを踏まえて、保険を選定する必要があります。

「一人親方労災保険」に加入する

老後の保険に備えるとともに、仕事上でのケガや病気のリスクに備える方法としては、一人親方労災保険に加入する方法もあります。一人親方労災保険に加入することで、仕事中や通勤中にケガや病気をしてしまった際の病院での治療費の負担が0になるうえ、休業補償も受けることができます。さらに、一人親方労災保険では仕事中の事故で死亡した場合、一定の遺族の範囲に対して、死亡一時金・遺族年金のいずれかが支払われます。

  • 遺族補償年金・・・遺族の人数に応じて、給付基礎日額の245日分から153日分の年金+特別支給金300万円
  • 遺族補償一時金・・・給付基礎日額の1000日分の一時金+特別支給金300万円

労災保険は通常労働者のための保険制度であるため、一人親方は加入することが認められていませんが、労基局承認の団体を通じて申し込みをすることで労災保険に加入できます。
「一人親方団体労災センター」は、労災保険料と月額500円の組合費のみ(初年度のみ入会金1,000円が必要)で加入していただける、一人親方労災支援団体です。一人親方労災保険は、希望の受給額や収入の状況に応じて掛け金を設定できるため、無理のない金額でご加入いただけます。

まとめ

一人親方は厚生年金に加入できないため、対策を取らない場合、老後の生活費や死亡時の資金に不安が残ることがあります。そのための対策として、この記事では、以下の4つの対策をご提案しています。

  • 個人確定拠出年金の加入
  • 仕事を長く続ける
  • 民間の保険商品の加入
  • 「一人親方労災保険」に加入する

「一人親方労災保険」は、一人親方が労基局認定の団体を通じて加入でき、仕事中のケガや病気を保障してくれる労災保険のことです。
「一人親方団体労災センター」では、労災保険料と月額500円の組合費のみ(初年度は別途入会費1,000円)で、一人親方労災保険へ加入していただくことができます。

> 労災センター通信 一覧ページへ

問い合わせ・資料請求はこちら

一人親方労災保険についての
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ・資料請求はこちら

050-3786-1525

[受付時間] 平日9時~18時 (土日祝・年末年始除く)

一人親方労災保険特別加入のお申し込みはこちら

お申し込みの流れはこちらをご覧ください。

一人親方労災保険特別加入手続きの当団体対象地域

関東
東京・千葉・神奈川・埼玉・茨城・栃木・群馬・静岡
関西
大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀・三重・鳥取・岡山・徳島・香川
中部
長野・新潟・富山・山梨・岐阜・愛知
九州
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島
東北
宮城・岩手・秋田・山形・福島
沖縄
沖縄