一人親方労災保険の「労災センター通信」

労災保険の加入条件を解説!事業者にとっては義務なの?

 日ごろあまり意識されないことかもしれませんが、労災保険には加入条件が設定されています。加入条件に該当し、加入義務が課せられている企業の場合、支払うべき労災保険料を支払っていないと後から労働法上の大きなトラブルを招くことがあります。また、加入条件を満たしていない方や任意加入の特別加入者に該当する方の場合はご自身の安全を守る方法を考えなくてはなりません。そのために重要なことは、労災保険の重要性を意識することです。
 この記事では、労災保険の加入条件についての基本的なルールと、例外的な条件について詳しく解説します。

労災保険の加入条件とは?

 最初に労災保険の加入条件の基本を解説いたします。労災保険に関する問題で最も重大なリスクは、加入義務があるにもかかわらず支払うべき料金を支払っていないケースです。この場合、該当者は未納機関の労災保険料を遡って納付しなくてはなりません(最大で2年間分)。さらに、10%の追徴金の負担の義務も生じたり、労災保険料の未払いに関して従業員との間でトラブルが発覚したりするなどのリスクもあります。
 そのリスクを避けるために、加入義務をしっかりと把握しておきましょう。

条件=加入義務?

 労働保険は、政府が管理・運営をおこなっている強制的な保険制度です。労働者を1日・1人でも雇用したら、労働保険に加入しなくてはなりません。つまり、労働者を雇用している企業・団体・個人事業主にとって労災保険加入は義務であるといえます。
 (個人事業主であっても、法人と同様に労災保険の加入義務が発生します)
 若干の例外はあるものの、大原則として覚えておきましょう。

労働者とは?

 もしかすると、日ごろ自社のスタッフに対して「労働者」という用語を使用しない経営者の方が多いかもしれません。実際に「労働者に該当するのは誰?」との疑問が残るかもしれません。
 結論からいえば、労働者に一般的に該当するのは正社員・アルバイト・パートのスタッフが該当します。簡単にいえば、自社で直接労働契約を結んでいるスタッフはすべて該当します。
ときどき、アルバイトやパートのスタッフは、労働者に該当しないと誤解されている方がいらっしゃるため、ご注意ください。

派遣社員は?

 人材紹介会社から派遣されている派遣社員の場合は、派遣会社が労働保険の申請・適用をおこないます。派遣社員が雇用契約を結ぶのは、派遣会社であるためです。ただし、派遣社員を受け入れる企業側にも、一定の責任が発生します。
 派遣労働者に対する労働災害(設備の故障・劣化によるケガなど)が発生しないように、注意義務を果たさなくてはなりません。

日雇いの労働者は?

 日雇い労働者は、労働者に該当します。たとえ、1日のみの労働であっても労災保険適用の対象になります。なぜなら、日雇い労働者と企業は直接的に雇用契約を結ぶためです。
 週払いの契約や、短期契約のアルバイトスタッフなども、同様に労災保険の加入条件を満たしています。

同居の親族は?

 同族会社や個人事業主の場合、同居の家族に仕事を部分的に手伝ってもらうケースがよくあります。この場合での同居の親族は、原則としては労災保険の加入条件を満たしません。ただし、以下3つの条件をすべて満たした場合は、労災保険の対象者になります。

  • 事業所の他のスタッフと同等の仕事をおこなっており、相応の給料を得ている
  • 就業規則によって、就労条件(始業時間・就業時間・勤務日数・休暇・賃金など)が明確に定められていること(他の労働者と同じように規定されていること)
  • 事業主の指揮命令に従っていることが明らかであること

 簡単にいえば、他の労働者と同じように雇用契約に基づいて業務をおこなっている場合、同居の親族は労災保険の条件を満たすことになります。

海外出張者は?

 海外出張者に関しても、事業主の指揮命令によって海外に「出張」している場合には、労災保険の適用対象者になります。ただし「海外出張」ではなく、「海外派遣」とみなされる場合は労災保険対象者から外れます。
 「海外出張」と「海外派遣」との違いは、労働関係によって決まります。渡航先で、事業主の指揮命令に基づいて仕事をする場合は、海外出張です。一方で、現地の企業の指揮監督をうけて業務をおこなう場合は海外派遣に該当します。
 なお、海外派遣に該当した場合は、労災保険に任意で特別加入することは可能です。

労災保険の加入条件対象外の事業者とは?

 ここまでの内容を見ると、以下のように感じる方もおられるかもしれません。

  • 労働者の大部分は労災保険の対象者になるのでは?
  • そもそも、労災保険が適用されないケースはあるの?

 この章では、労災保険加入対象外となる事業者について解説いたします。

他の法律で補償される事業者

 以下の事業に該当する団体は、労災保険が補償している業務中・通勤中について別の法律・制度で保護されます。具体的には、以下に該当する事業者の場合です。

  • 官公署の事業のうち非現業のもの(地方公務員で現業部門における非常勤職員は適用対象)
  • 国の直営事業所
  • 船員保険被保険者(疾病任意継続被保険者以外)

 上記に該当する場合、団体は労災保険の申請をしなくてもOKです。

法人の役員

 労災保険は、そもそも労働者を守るための法律・制度であるため、雇用主側である役員は労災保険の対象になります。役員に対して労災保険が適用されないのは、労災保険の本来の目的に由来します。
 労災保険は、そもそも業務上の事故などによる労働者の損害や就労不能を保障する制度です。役員は労働者に含まれないため、労災保険の対象からは外れます。しかし、中小企業の代表者や役員に関しては、労災保険の特別加入が認められています。

  • 中小企業の役員は、労働者と同じように実務や作業を担当するケースが多いこと
  • 労災保険に加入していないと、建築現場などの現場では就労が認められないケースが多いこと

 上記を理由として、中小企業の役員に限り、労災保険の特別加入が認められています。
(中小企業として扱われる事業規模)

  • 金融業・保険業・不動産業・小売業:従業員数50人以下
  • 卸売業・サービス業 :従業員数100人以下
  • 上記以外の業種 :従業員数300人以下

個人事業主・フリーランス

 請負契約に基づいて仕事をおこなう個人事業主やフリーランスは、労災保険の対象になりません。特別加入が認められている特定の業種を除き、労働上のリスクに対しては民間の保険商品や貯蓄などで対処することになります。

労災保険加入が例外的に認められる条件

 前章で少しご紹介したように、企業に勤める労働者ではなくても労災保険加入が例外的に認められている業者・業種があります。この章では、労災保険が例外的に認められる業種・例外的に認められる条件・一般の労災保険との違いなどについて解説します。

厚生労働省の指定の業種

 労災保険の特別加入は、厚生労働省が認める指定業種にのみ認められています。

  • 一人親方およびその他の自営業者:一人親方の他、林業・タクシーの運転手・水産動植物の採捕の事業など
  • 特別作業従事者:一定の危険有害な農作業に従事する者・職業適応訓練に従事する者・労働組合等常勤役員など
  • 芸能・アニメ関係者
  • 柔道整復師

 上記の職種は、個人事業主やフリーランスであっても労災保険への特別加入が認められています。一般の労働者とは異なり加入義務はなく、あくまでも任意で労災保険に加入できます。

例外的に認められる理由

労災保険が例外的に認められる理由は、以下の理由があります。

  • 指定業種に関しては、労働をおこなううえでケガや病気のリスクが生じる
  • 働き方改革による労働環境の就労が叫ばれる中、個人事業主やフリーランスの労働の安全対策がこれまで十分ではなかった
  • 社会の変化に伴い、一人親方などのケースでは労災保険に加入していないと現場にはいれないこともある
  • 個人事業主やフリーランスとして働く方が増えている

 実際に、一人親方の場合には、一人親方労災保険の加入率は8割を超えています。

一般の労災保険と特別加入条件との違い

 一般的な労災保険の場合、会社・団体に加入義務が課せられており、労働者は会社に入社すると自動的に労災保険が適用される仕組みです。その際の給付基礎日額は収入によって自動的に決定されます。
 特別加入の労災保険の場合は、任意加入の制度です。また、給付基礎日額はプランの中から任意で加入者自身が選択します。支払う保険料に比例して労災保険料の費用が決定する仕組みであり、イメージ的には民間の保険商品に似ている部分があるかもしれません。
 特別加入の労災保険も、国が運営するサービスであり、受けられる補償などは一般の労災保険とほぼ同等です。就業不能補償や療養補償のついた民間保険と比較した場合、とても有利な条件で保険に加入できます。

まとめ

 労災保険は、労働者を一人でも雇用する企業・団体・個人事業主は必ず加入しなくてはなりません。加入条件を満たしているにもかかわらず保険料を支払わなかった団体に対しては、ペナルティが課せられます。したがって、実質的には労災保険加入義務が存在するといってもよいでしょう。
 労働者本人に関しては、労災保険に加入していることにより、業務中・通勤中でのケガや病気に対する厚い補償が受けられます。また、建設業など業種によっては、労災保険に加入していないと現場での作業が認められないケースもあります。
 中小企業の役員・個人事業主・フリーランスの方にとって重要なことはご自身が特別加入者の対象に含まれているか否かをチェックすることです。
もし含まれている場合には、任意で労災保険に加入できます。
 少ない掛け金で厚い補償を受けられるため、給付基礎日額や保険の内容をぜひチェックしてください。

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